希望的観測と偏向情報収集、中国経済は大丈夫か

 面白いことに、私が昨日のような投稿、上海や中国経済が衰退するといった内容を書いたら、必ず返信投稿がやってくる。スーパーやショップ、レストランが繁盛してますよと、今回はフェイスブックへの書き込みコメントだ。

 ショップの来客数で一国の経済や景気を計測できたら、経済学者も要らない。といっても、経済学というのはそもそも、検証型の学問であって、結果がすべてなのである。まして、ロシアだろうとブラジルだろうと、経済が衰退しても繁盛する店は必ずあるし、その商売をすれば、どんなに経済が衰退しても儲かるわけだ。

 その国でビジネスをやったり、資産を持っていたりする人には、希望的観測がある。その国は大丈夫だ。ポジティブ論を裏付けるあるゆる情報を集め、その反証となるネガティブな情報を切り捨てる。これは自己意思による偏向情報収集である。

 話を戻すが、中国経済は大丈夫かどうかというのなら、私は経済学者ではないので、正確な予測ができないのかもしれない。ただ、私は経営コンサルタントなので、ワーストケース、最悪の場合どうすればいいかを考えるのが仕事だ。そういう意味で、いつまでも悲観論者に見られがちなのである。
 
 それはそれでいいと思う。あれだけ中国投資に熱を上げた李嘉誠氏の中国資産の売却と撤退、ポートフォリオの組み直しをみていると、彼の心中はどのようなものかと、妄想を膨らませるばかりだ。