報われない努力は努力といえない、「製品」が「商品」になる日

 「報われない努力は努力といえない」。フェイスブック上の友人の投稿。一見厳しい意見であるかのように見えても、まったくの正論であって、ある原理を語っている。

 価値論で説明すると分かりやすい。「努力」は個人の内在的価値の体現で、「結果」はその価値の外在化である。「製品」は作られた時点で一定の内在的価値が付随するものの、それが「商品」となって売られてはじめて価値の外在化が実現する。

 努力と結果は、「製品」と「商品」の関係によく似ている。どんな良い製品が作られたとしても、ただ倉庫に眠っているだけでは、その価値は市場に認められない。そればかりか在庫管理にコストがかかるし、在庫は経理上の資産であってもキャッシュフローを悪化させ、最終的に資産の劣化を招来する。

 在庫していいものもある。金やダイヤモンドのような換金性の高い「商品」である。注意してほしいのは、金やダイヤはもはや「製品」でなく、「商品」なのである。

 このように、「努力」という「製品」をいかに効率よく「商品」化するか。これが永遠の課題となる。「商品」化されれば、内在的価値の外在化が実現し、「努力」が「結果」として報われる。

 「製品」を作れば「商品」となって売れる時代が終わった。「努力」すれば報われる時代も終わった。大変厳しいが、現実である。