<ホーチミン>Cuc Gach Quan、素朴な田舎料理を満喫

 2月19日(日)の夕食は、ベトナム料理店「クック・ガック・クアン」(Cục Gạch Quán)。ホーチミン市1区北端のはずれにある店までは、宿泊先のホテル日航サイゴンからタクシーで25分ほどかかる。

 田舎料理である。ベトナム料理は、豪華さよりも素朴さに価値を置いてみると、また違う楽しみ方が見えてくる。そんな店である。一軒家を改造して洗練された内装だが、味はいたって農村的な簡素さに徹している。

 揚げ豆腐はただの揚げ豆腐。自家製豆腐はいかにも豆腐。形容しようのない豆腐の香りと味に圧倒される。揚げられた豆腐に、炒めレモングラスとニンニクがかけられている、それだけ。

 ミックス野菜。野菜はただの野菜、だが、いかにも野菜。そのミックスがまたいい。でも決して八宝菜ではない。いわゆる五目旨煮とか炒めのような豪華さはまったくない。どちらかというと、あり合わせ感満点。

 少し贅沢なポイントをつけようと、ソフトシェルクラブの唐揚を注文。小ぶりだが、ぷくぷくして蟹の肉付きが良い。熱々の揚げたて、ふわっとジューシーな一品に大満足。酒が進む。もちろんベトナムの米酒だ。

 そして、何といっても豚肉の角煮。濃厚さがない分、自己主張が薄い。自然淡白な角煮は限りなくスープに近い。それでご飯が何杯でも食べられてしまう、極めて「危険」な一品であった。

 ご馳走様でした。