マレーの香りと中華の味、プラナカン料理に魅せられて

<前回>

 プラナカン博物館の見学を終えるところ、ちょうど正午。博物館から歩いて1分ほどのところに、小さなプラナカン料理店「True Blue」がある。そこで昼食を取ることにした。

 前菜には、ポピア(Popiah)。名前は福建語の「ポッピァン」(薄餅)から来ているのだろう。確かに台湾の屋台でも似たようなものを食べたことがある。海鮮や干し大根の煮物、卵、レタスなどの具材を味付けして春巻風の薄い皮で巻いた、いわゆる「ニョニャ風準生春巻き」(生の具材だけではない)だ。皮がモチモチして旨い。

 続いてエビの甘辛炒め。若干甘いような気もするが、まあ、フルボディの赤ワインには意外とよく合う。

 メインは、「アヤム・ブア・クルア」(Ayam Buah Keluak)。クルアの実と鶏肉のニョニャ風煮込み。クルアの実、英語では「ブラック・ナッツ」と書かれているが、実は初めて食べる。食べるよりも薬味的な存在であって、固い殻から実をスプーンでくりぬいてそれをソースと絡めてご飯にかけ、混ぜて食べるのである。クルアの実は実に香ばしい。マレー的な香りが溢れる薬味である。肉の煮込み料理と相性抜群。

 最後の野菜は、ジャガイモの葉のココナッツカレー風味炒め。これもまた中華の南洋風で素晴らしい。

 ご馳走様でした。

<次回>