タンジョン・ジャラ(3)~良いリゾートとは?陸海空三位一体の評価基準

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 良いリゾートとは?うるさいことを嫌う私には独自の「陸海空」三位一体の評価基準がある。

 まず、「空」。リゾートには頭上を飛行機が頻繁に飛んでいない静粛さが欠かせない。メジャーとなっているリゾート地はどこもが独自の空港をもっているし、特に小さな島の場合どうしても空港が至近距離に建設される。すると、リゾートの上空が飛行ルートになっていることも多い。ジェット音を聴き、機影を眺めながらのリゾートは決して心地の良いものではない。

 タンジョン・ジャラには最寄りの空港が存在しないだけに、飛行機は一切飛来しない。その分、静かな空が最高の舞台背景になる。

 次に、「海」。ジェットスキーやバナナボート類のいわゆるマリンスポーツは、騒音さえなければ、それは自由にどうぞといいたいところだが、実際に騒音は半端じゃない。ビーチで静かに読書や昼寝をしたい人の「静寂権」はなぜ保証されないのだろうか。遊びたい客の需要と業者の営利欲が一致した場合、もう他者が口出しできる状況ではない。

 タンジョン・ジャラの場合、細々と運営されている小さなPADIスキューバダイビング・ショップ1軒以外に、派手なマリンスポーツをやっていない。ビーチにはボートすら置いていない。その代りにマレー料理教室やバティックペインティング教室など文化系のプログラムが充実している。結構なことではないか。

 最後に、「陸」。これは何といっても客層だ。劣悪なロケーション故に団体客はまず来ない。特に特定某国のうるさい客は1人もいない。アジア系の客も子供をプールでギャーギャー騒がせる傾向があるから、警戒対象だ。タンジョン・ジャラの来館客は欧米系が9割以上、しかもなぜか子供連れが少ない。

 人種差別のつもりはないが、私の感覚からすると、平均的に欧米人の子供が大人しくてしっかりしている。これに対してアジア系の子供はうるさくて幼稚。欧米の家庭はあくまでも夫婦が中心であって、子供は付随的存在にすぎない。しかし、アジアの家庭はどうしても子供中心になるから、必然的にこうなるだろう。

 あと、ビーチで土産物を売りつけるローカルのおばさんは1人もいない。全体的にとにかくリゾート客の「静寂権」が完全に守られている。私の「陸海空」三位一体の基準からすれば、タンジョン・ジャラには全部門満点に近い評価を差し上げたい。もちろん、バリ島やプーケットなどのメジャーはタンジョン・ジャラの比ではない。

 これだけではない。まだまだ、ある。

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