サパの旅(1)~夜行寝台ビクトリア・エクスプレスに乗車

 10月11日(木)。ハノイ出張終了後、週末を利用してベトナム北部のサパの旅に出かける。

 ハノイ駅発の夜行寝台列車ビクトリア・エクスプレスの利用客には、駅舎の2階に専用の待合ラウンジが設けられている。贅沢にはほど遠くちょっとした寛げる空間に過ぎないが、途上国の駅に見られる殺伐とした風景から隔離されただけでも、ありがたい存在だ。

 21時、荷物を運んでくれるポーターが現れ、プラットホームに停車中の列車へ案内する。発車1時間前に乗車可能だ。ホームへはエスカレーターがついていないし、ホーム自体も凹凸の激しいガタガタ路面、とても大型スーツケースを引きずって歩けるような場所ではない。スーツ―ケースを持ち上げて疾走するポーターを追うだけで精いっぱいの自分は情けなくなるほどだ。

 いわゆる「ビクトリア・エクスプレス」とは、通常の列車の最後部(帰りは先頭部)に少々豪華な車両を2輌追加連結するだけという形になっている。この2輌は今回サパで泊まるビクトリア・リゾートによって運営されているため、ホテルの宿泊客には運賃の割引や様々な優遇オファーが提供されている。

 改札は極めて簡単に済まされる。乗車の際も身分証明書の提示が求められない。いよいよ、乗車だ。

<次回>