<台北>「款待手路菜」、路地裏で地元食す渾身の台湾

 2月11日(火)。名古屋と東京出張を終え、早朝成田発の中華航空便で台北入り。夜、業務打ち合わせも兼ねて、台北市内で会食。場所は地元在住の友人に薦められた「款待手路菜」という、路地裏の小さな台湾料理店。

 台北のローカル台湾料理といえば、「欣葉」や「青葉」。この2店はもう数えきれないほどの回数で通ってきたので、たまに趣向を変えようと思った。ローカル客しか行かないような店に行きたい。

 まずは「香煎猪肝」(レバー炒め)。台湾式のレバー炒めは格別な美味しさがある。土地柄、衛生上生焼きできない故に、ウェルダンにする必要があるらしい。ただ、全然硬くないし、香ばしくあの食感はもうたまらない。まさに台湾式レバー炒めならではの美味である。

 次にやってくるのは、「白切鶏」。台東産の放山鶏(放し飼い地鶏)の6か月ものを使っている。皮のあの艶。カロリーが高いとか、そんなので捨てるのが「犯罪」に近い。肉と一緒に食すべし。肉は柔らか過ぎずに、しっかりしていて甘みが口腔中に一面と広がったところで、金門高粱酒で流していく。

 いよいよ店主お勧めの「麻油山薬松坂猪」(松坂豚と山薬の炒め合わせ、ごま油と酒仕立て)。「松坂牛」なら分かるが、豚肉にもまさかの「松坂」。要するに「松坂牛」的な発想で牛肉のさしを意味し、豚の頬から肩の首あたりのさしの入った部位を指しているわけだ。私の場合、和牛のさしは得意ではないが、豚ならもともとあっさりしているし、山薬との組み合わせでさらにあっさり度が向上しているので、まったくOK。そのうえ、ごま油と酒の香りで完璧なハーモニーを織り成す。

 まだまだ料理がやってくる。「金錢蝦餅」(台湾風海老しんじょ、ただ完全なすり身ではない)。ふんわりとした食感がたまらない。日本料理の海老しんじょより少しばかり油を感じさせるが、まったくいやみがない。酒のつまみには最高の一品だ。58度の金門高粱酒がどんどん進む。酒が海老の香りとうまみに溶け込み、渾然一体になったところ、昇天。

 台湾料理といえば、これ。「菜脯蛋」(台湾風卵焼き)を食べずには帰れない。いたってシンプルな卵焼き。でも、この一品を一度愛してしまったら、死ぬまでその呪縛から抜け出せない。なんというおふくろの味であろう。心の故郷への回帰は、涙が溢れ出るほどの感動と幸福を味わう瞬間である。

 そろそろ、食事になるが、まずは「蚵仔麵線」(牡蠣そうめん)。ぷりぷりした牡蠣はこれでもかというほど一面と大量に入っている。海を丸ごといただく。そうめんの塩梅もまたよろしいこと。いやいや、満腹のところ、最後に欲張って「葱香鶏油拌飯」(ネギと鶏油の混ぜご飯)を3人で一口ずつ分けて食べる。もうここまで来たら、体中はすべて「台湾」だ。

 本当にご馳走様でした。

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