「○○○歩き方」片手になんて・・・、旅のスタイルは聖書離れ

 若いころに比べて、ヨーロッパ方面の旅がめっきり減った。最大の原因は、長距離フライトが年々苦手になってきたことだ。これは間違いなく老化現象であろう。

 若いころは、安い航空券で20時間ほどかけてニューヨークまで狭いエコノミーで行ってもへっちゃらだったのに、段々億劫になって、長い旅を躊躇ったりするようになった。ここ3~4年、チェコ、モロカイ島・ラナイ島とケニアしか行っていない。

 旅のスタイルも変わった。昔は見るスポットや食事の場所まで、周到な計画を立てて狂いなしに忠実に計画通りにやっていたが、最近はざっと資料を読んであとはその時の気分次第という大雑把なものになってしまった。

 今回もそうだ。ブリュッセルで行きたいレストラン2件だけ目星をつけて、あとはまったくフリー。ルクセンブルグまで足を延ばすかどうかもそのときの気分で・・・。

 もうひとつの理由は、ガイドブックをあまり信用しなくなったことだ。ガイドブックに載っているスポットやレストラン、店は果たして自分にとってそれがベストなのか。聖書のように「○○○歩き方」を片手にという旅のスタイルに物凄く抵抗感を持つようになった。

 ガイドブックというのは基本的に万人受けの最大公約数的なものであるし、また取材者の独自の価値観や偶然性も折り込まれていることであろう。自分にとって何がベストなのか、現地に入って現地情報をリアルタイムで現地調達する。それに越したことはないと。

 というようなことで、今回は久しぶりのヨーロッパである。