ベルギー・トルコ番外・完結編~ヨーロッパの魅力と「現実逃避依存症」

<前回>

 年に一度は必ずヨーロッパに行きたいとは言いつつも、2年か3年一度になってしまっている。今回のベルギー(私はトルコを中近東に分類している)旅行で、ヨーロッパ19か国目になった。今後の予定としては、クロアチア等旧ユーゴスラビア地域、ルーマニア・ブルガリア、ポーランド、オランダ、デンマーク、アイスランド、そしてマルタ。リピーターとして行きたいのは、フランスやイタリアの田舎、スペイン、地中海一帯である。

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 ヨーロッパの魅力とは何か。「フィルム・キラー」と、アナログ写真時代から私はこういっている。ヨーロッパはどこに行っても絵になり、ついついシャッターを押したくなるのである。

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 初めてのヨーロッパは、20代のときのパリとローマだった。入門編として無難だったかもしれないが、旅を重ねていくと、だんだんメジャーからはずれ、マイノリティーに走り出す。古き良き欧州の素朴な面影を求め、田舎巡りに熱を上げるのである。チェコならプラハよりもチェスキークルムロフ、先日のベルギーの場合はブリュッセルよりもブルージュにより大きな魅力を感じてしまう。さらに洗練された西欧より、東欧の田舎臭さに目を奪われがちである。

 ヨーロッパというのは、「発展」や「急成長」といった概念に無縁のように感じ、経済成長疲労症候群の患者には絶大な癒し効果をもっている。毎度リハビリにやってきた私自身も治療効果に満足し、一つの旅が終わるとすぐに次の旅を計画しはじめ、気がつくと一種の「現実逃避依存症」にかかっている。このような病から脱出できない、いや脱出を拒否する自分には嫌悪感のかけらもなく、またもや来年のカレンダーを引っ張り出す。

<終わり>