捨て身の自己犠牲で妹を救うゴン太、ただただ頭を下げる

<前回>

 ゴン太の墓前で深々と頭を下げる。

 5月14日(火)、ハナは2回目の悪性腫瘍メラノーマ(凍結療法)手術から半月経過。今日は検査日である。結果は、現在がん再発の形跡はないとのこと。ただがん細胞が完全切除になったかどうかはわからない。

 メラノーマには、「幻」に近いDNAワクチン療法がある――。Oncept、オンセプト・メラノーマ。DNAワクチン療法とは、がんの3大療法とよばれる外科手術、放射線治療、抗がん剤治療とはまったく異なる治療法である。オンセプトは今、世界の一部の国で認められている唯一のがん治療ワクチンである。

 臨床では生存期間の延長効果は一応確認されている。非常に高価というのはまだしも、何よりも入手が困難である。日本では先月(2024年4月)条件付き承認で市販されたばかりだが、現在は海外個人輸入は不可になっている。シンガポールでも同じ状況だ。

 幸いマレーシア国内でも近日正規輸入が可能になるとの確認の一報が入り、本日、早速デポジットを払って発注した。入荷するまでは1か月ほどかかるので、それまでには日本のMワクチンで間を持たせる。

 ゴン太のために調達したMワクチンは、ゴン太が使いきれないうちに亡くなった。まさか残った分を妹のハナに使ってもらえるとは、思い寄らない展開だった。ゴン太のメラノーマ罹患が発見した当時は、すでにステージ3だった。見る見るがんが大きくなり、オンセプトの調達は到底待てなかった。

 だが、メラノーマについて、われわれはそれでしっかり知識を得て、情報も仕入れ、体制も整った。そのお陰で、今回ハナはステージ1での早期発見ができて、着々と治療プランを立てられた。ゴン太はたぶん、妹を救うために捨て身の覚悟で自己犠牲になってくれたのだった。

 それを思うと涙が止まらなくなった。

ゴン太の墓前