この店のスタッフは、本当によく教育されているんだなぁ・・・
目に見えないところ、しっかりとお金をかけているんだなぁ・・・
お腹を出して寛ぐ動物のような気分になる。この店に入ると・・・
人間は、「攻撃」の体勢から「「防御」の体制に、そして、「防御」の体勢から「無防備」、「寛ぎ」の体勢に段階的にシフトしていきます。
中国には、美味しい店がたくさんありますが、本当に寛げる店は少ない。この店に一歩入ると、急に、自分が無防備状態に入ったような気がして仕方ありません。どのウェイトレスも、自然な笑顔が素晴らしい。日本語はばっちり、何よりも商品知識を持っている。
この手の高級料理店は、料理長がいくら美味しい料理を作っても、無愛想で商品知識のないウェイトレスであれば、台無しです。お客様は、二度と来ません。
刺し身(大トロ、中トロ、ツブ貝、殻付ウニ)約500元
シマアジ刺身(120元)
美味しい料理をいただいたのに、料理長に感謝の言葉一つなく、ウェイトレスばっかり褒める酷い私ですが・・・
まず、刺身です。素材は何ら問題もなく、どれも美味しい。今日は少し贅沢ですが、トロを注文しました。大トロも中トロも絶品。特に、中トロは素晴らしい。筋がなく、シルクのように滑らかで、大トロの貫禄が漂っています。
トロは、色気がなければ、美味しくない。少々恥ずかしいのですが、立花流のトロの食べ方を披露しましょう。
歯をまったく立てずに、舌だけでトロを絡め、妙齢の少女と愛を込めた情熱的なディープキスを交わすようなタッチで、トロに体温を移していきます。トロの身が体温に接近していくにつれ、官能的な興奮が高ぶる。そして、知らないうちに、身が解け出し、このときはクライマックスに登り詰め、全身全霊が幸福感に浸しながら、脱力感に襲われる・・・
トロは、高価な食材です。中国人の間でも、「TORO」は、金持ちのステータス・シンボル的な存在です。富の誇示も込めて、トロをオンパレードで食す輩もいますが、こんな官能的な食し方を身に着けていなければ、残念としか言いようがありません。
この店の看板である寿司と甘味は、今日残念ながら、胃袋のキャパの制限で、次回に譲ることにしました。
最後に、食した「自家製塩鮭」も絶品です。寿司をあきらめた代わりに、鮭とご飯と味噌汁で締めくくりたかったのですが、寿司飯しか置いていないと告げられ、がっかりしました。
美味しい料理を知っている、美味しい料理を食べたい、こういう人には、「太閤」をお勧めします。
★高級寿司割烹・太閤 (たいこう)
<住所> 上海市古羊路433号 (古羊路×宋園路)
<電話> 021-5477-7079, 136-2173-9906
<料理長> 宮城島 正 氏
<営業> 11:00~13:00, 13:00~16:00(Afternoon Tea), 17:00~22:00
<予算> 300元~700元