上海ヒルトンに泊まるのなら、必ず食べるものは、1階Atrium Cafeの海南鶏飯(ハイナンジーファン)です。
海南鶏飯は、海南島出身の人々がシンガポールなど南洋一帯に伝えた伝統料理、ゆでた鶏肉、鶏スープ、鶏スープで炊いたご飯の三品とソース三種類というシンプルなセットです。いわゆる鶏尽くしセットです。鶏料理は、昔から中国の人にとって、大変贅沢な食べ物です。この料理は、南洋で頑張る華僑が小晴れの日にしか食べられないものだったそうです。
私が以前ロイター通信社の上海事務所に駐在したときの上司は、マレーシア華僑です。彼から教えてもらったのは、このヒルトンの海南鶏飯が中国一美味しいということでした。以来、何回も食べています。
鶏肉が柔らかいし、通常皮を食べない私でも、あの黄金色の皮は、美味しく食べられてしまいます。鶏スープは、濃厚でご飯との相性が抜群。
特筆に値するのは、鶏スープの炊き込みご飯。インディカ米です。インディカ米は、日本人はなかなか馴染めないようですが、美味しくインディア米を食べる方法を教えましょう。
「米としてではなく、料理として食す」
インディカ米は、粘々しない特徴を生かして、焼き飯にしたり、このような鶏スープ炊き込みご飯にしたりすると、食感を楽しむには最高です。逆に、ジャポニカ種の米は、粘りが強く、不向きです。
ヒルトンの鶏スープ炊き込みご飯は、インディカ米の芯が程よく残っていて、米粒の形がしっかりして崩れない分、鶏スープのエキスがたっぷりと絡められ、これはこれは、実に旨い。さらっとしているので、東南アジアの湿っぽい気候に最適なご飯です。
海南鶏飯も、各店それぞれ秘伝の料理法で、微妙に味が違います。本場シンガポールでお勧めするのは、オーチャード通りのマンダリン・ホテル内のチャターボックスです。
皆さんも、是非、海南鶏飯を試してみてください。
★上海希爾頓酒店(上海ヒルトンホテル)1階・Atrium Cafe
<住所> 上海市華山路250号
<電話> 021-6248-0000
<営業> 終日
<予算> 100元~300元