「医療神話崩壊」、日本はマレーシアにも馬鹿にされている

 「日本の医療神話が崩壊」

 本日5月17日付けマレーシア華字経済紙「南洋商報」の論説記事。「アジア唯一のG7国(7つの主要先進国)として、アジア太平洋地区におけるコロナ防疫では、最悪の成績を出した」。容赦ない批判は痛快だ。

 日本に対するアジア諸国の幻滅。台湾をはじめ、ここマレーシアもその傾向がはっきりしてきた。みんなは賢明だ。日本の問題がどこにあるのか、徐々に見えてきたからだ。それは、「人災」にほかならない。

 日本の政治にも憲法にも問題がある。しかし、すべての問題を政治や憲法になすりつけるのがもっと大きな問題だ。独裁国家なら独裁者の責任になるが、日本は民主主義国家である。最終的な責任は国民自身にある。それをはっきり認められる日本人はどのくらいいるのだろうか。

 高度成長期を含めて、戦後の日本人は自ら運命を政治家やエリート層に託してきた。自己サバイバル機能を放棄し、安心や安全を無料だと勘違いしてきた。そのツケが回ってきた。コストを払わされるときがやってきたのだ。

 日本人がいくら政治を批判しても、自らの惨状は何ら変わらない。政治に対する罵りはただのガス抜き、互いの傷の舐め合いにしかならない。百歩譲って政治家たちに全責任があったとしても、ではしかっり責任を取らせることはできるのか。政権交替があっても何も変わらない。

 というのは、仕組み全体が腐っているからだ。その仕組みが戦後40年にうまく機能し、大方の日本人もそこから甘い汁を吸ってきた。これを忘れるべきではない。都合のいいときだけよしとし、都合が悪くなったら文句を垂れる。世の中はそう甘くない。

 日本はいちど崩壊してみないと、仕組みの作り直しができない。というのが、私の持論だ。医療神話の崩壊だけではない。日本神話の崩壊が必要なのだ。

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