【Q&A】中国における違法解雇、賠償金と経済補償金は同時(二重)発生するのか??

【質問】

 業績不良の某従業員を解雇しようとしたら、それ(業績不良)を裏付ける証拠が不十分で、2倍の経済補償金にあたる賠償金を支払うことを提示しました。すると、その従業員は、もともと労働契約の解除に経済補償金が発生しますので、それと賠償金を合算して3倍の補償金になると主張してきました。それは本当でしょうか。

【回答】

 経済補償金は労働契約の合法解除・終了に伴う補償支払い義務であり、賠償金は労働契約の違法解除・終了に付随する賠償義務である。合法でなければ違法、違法でなければ合法。合法違法の併存はありえませんので、補償金と賠償金の併存はありません。

 ただし、「労働契約法」第48条では、「雇用単位が本法の規定に違反して労働契約を解除または終了する場合には、労働者が労働契約を継続して履行することを求めれば、雇用単位は、継続して履行しなければならない。労働者が労働契約を継続して履行することを求めず、または既に労働契約は継続して履行することができない場合には、雇用単位は、第87条の規定により賠償金を支払わなければならない」と定められています。

 つまり、違法解除にあたって、「労働契約の継続履行」、または「賠償金の支払い」のいずれかを選ぶという選択権は、労働者が握っているのです。たとえば、労働者がより高額な金額を手に入れようと、あえて「労働契約の継続履行」を交渉のカードとして使うことも可能でしょう。そこで、何としてでも「継続雇用(労働者の職場復帰)」を拒みたい企業は、2倍以上の金額に応じざるを得ない場面も想定できます。

 だとすれば、理論上、賠償金と補償金の二重支払いは存在しないといっても、実務上、2倍か3倍以上あるいはもっと高額の金銭支払いもありえます。つまり、違法解雇の次元を超えて、交渉と合意に基づく協議解除の世界に回帰することです。違法解雇が回避できたとはいえ、次から次へと交渉ケースを招来する悪しき誘因になりかねませんので、なるべく避けたいところです。

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