香港出張(2)―奇妙な香港日本人クラブ

<前回>

 土曜日の夜、会食場所の香港日本人クラブの日本料理レストランで奇妙な光景を目撃。7時過ぎると、パラパラとお客さんが入り始めましたが、すべて香港人の家族連れ。8時前に、席が7割ほど埋まりましたが、日本人はうちの一組だけでした。

23762

 「香港日本人クラブは、いま、香港人客でようやく経営が成り立っているのです」、現地事情に詳しい方が言います。

 料理を食べてみると、お世辞にも美味しいとは言えません(あくまでも私個人的な味覚と感覚でものを言います、以下同様)。特に揚げ物は、油ギトギトの代物です。勘定してみると、3人で1600香港ドル。このコストパフォーマンスは、もう二度と来ることはありませんね。

 香港の街には日本料理店が数百軒もあるなか、本物の味を知っている日本人は、何もここで食べる必要性を感じないでしょう。街には、いくらでも安くて美味しい店があります。では、なぜ、香港人だけがここ日本人クラブに来るのでしょうか。

 「ステイタスです」。「日本人クラブ」には、香港人でも入会できますが、日本人より高い会費を取られます。何と言っても、「Japanese Club」というブランドで優越感を持つそうです。なるほど、そういう意味では、「日本人クラブ」の現地化戦略が成功したといっても良いでしょう。けれど、そもそも「日本人クラブ」は、ローカルの日本人コミュニティー、交流の場ではないでしょうか。いまの状況を見ると、「日本人クラブ」か「香港人クラブ」か区別が付きません。

 食事を終え、帰り際にエレベーターホールの張り紙に気付きます。7月から月2回の定休日を設けるとのご案内です。やっぱり・・・香港のみならず各地とも日本人相手の商売がどんどん厳しさ増す一方ですね。

23762_3

 何とも言えない神妙な気持ちで、香港日本人クラブを後にしました。

<次回>