「限定品商法」「特価品商法」全盛期か?

 昨日書いたブログ記事「2009年09月12日 お節介!熱血コンサルタントと料理店主の熱き戦い実録」に、私と同じセリフで、同じような店でクレームをつけたことがあるという読者の方から、コメントが寄せられた。では、そのケースを以下転載する。

 という、同じ台詞を、私も同じような飲食店で、日本人の管理職に対して言ったことがあります。その店も、すごく繁盛していて、毎日品数限定の料理を楽しみに行ったんですが、注文するはしから、ことごとく売り切れだというんです。同席していた上司が、開店してからまだ30分もたってないのに、全部売り切れなんて、こんなの詐欺だと怒り出して、私たちの席の係りの子が、リーダーみたいな少し日本語も上手な子を呼んできました。その子は、いろいろ言い訳を並べ立て、結局、その場しのぎのすぐばれる嘘で、私たちをやり過ごそうとしたのです。

 もちろんそれは、上司の怒りの火に油を注ぐ結果になり、もっと上の日本人を呼べ!!ということになりました。結局日本人マネージャーは、客の怒りを鎮めるのに、勘定を只にするという、究極の手段にでたのですが、私は、そんなことより、この店では、従業員にいったいどういう教育をしているのか、よけいなお世話だと思いつつ、つい説教してしまいました。田舎から出てきたばかりの、年端もいかないような女の子が、こんな人を小ばかにするような方法が、うまい客あしらいだと学んだとしたら、それは、本当に罪悪じゃないですか?もし店の経営者が、接客態度なんてこんなもんでいいと、本気で思っているとしたら、そんな店でどんな材料を、どんな調理法で作られているのか、信用できないから、絶対食べたくありません。

<コメント>

 「毎日品数限定の料理」を餌に集客する手法が良く見られる。

 旅行会社の広告にも同じ手法がよく使われる。「上海/東京 往復1980元」というA社の広告を見て、電話すると、「1980元の席はもう売り切れです、2500元なら空いていますよ」と言われたら、どうするか、フリーペーパーのB社、C社、D社広告を見ると、大体皆2500元、面倒くさいから、とりあえずA社で買ってしまう。

 そもそも、最初から1980元など存在しない。A社も、B社も、C社も、D社も皆2500元。とにかく、自社を目立たせ、客から電話がかかってきたら、こっちのものだ。このような商法だ。A社の行為は、公平競争の原理に反し、同業他社の利益を侵害したことになる。

 レストランの場合、「毎日品数限定の料理」も似たような手法だ。とにかく、餌で客に店内に来てもらうのが先決。来てみると、「限定品が品切れ」と告げられ、ほとんどの客は、「あ、そうですか、売れ切れですか」で諦める。たまに、個別の客が文句を言った場合は、上記の読者のケースになる。まず、その場しのぎの嘘でごまかし、ダメなら、謝る。それでも客が引き下がらない場合、勘定をただにする。勘定免除にまで発展する確率は、極微である。たとえ100組の客に1組がいても、店は立派に利益を上げる。

 そうなれば、限りなく詐欺に近い不誠実行為の確信犯である。また、その読者がおっしゃるとおり、中国人従業員に最悪な教育になる。不況の時代、食べていくには容易ではない。だから、手段を選ばずの経営があってよいのか、中国の地を荒らす日本人もいることを考えると、心が痛む。