一度食べてみたい店だが、今回北京出張中の夜は、すべて顧客との会食で埋まったため、昼食の時間を利用して行った。
慌しいなか予約なしで行ったら、やはり満席だった。待たされること数分間、店頭に立つ西洋人の副総支配人が、一生懸命席を手配してくれた。感謝。
この店の英語名は、「Made in China」、何だか、経営コンサルタントの私には、まず「加工貿易」や「OEM」を連想してしまう。実際は、そのイメージと裏腹に敷居の高い店である。特に北京ダックの評判が高い。北京一と絶賛する美食家もいるようだ。
昼時は、とても北京ダックを味わう余裕がなく、予約もなければ、当然食べられない。あえて平々凡々な料理を注文してみた。北方料理といえば、やはり餃子。水餃子と焼き餃子の二種類を頼んだが、どれも素晴らしい、材料が良いのと、仕事が丁寧だったことが伝わってくる。
ところが、お値段も半端ではない。水餃子(10個)が55元、焼き餃子(10個)が68元。20個の餃子で、123元。平均して1個の餃子が6元という目玉が飛び出るようなお値段だ。北京市中の庶民のレストランで6元も出せば10個くらい食べられるだろう。さて、この10倍もする餃子を食べた感想といえば、私は、納得する。
食材から調理技術、盛り付け、店の雰囲気までほぼ満点を差し上げたい。サービスに関しては、世界のグランドハイアットの平均からいえば落第だが、中国の中では、これ以上贅沢に求めるべきではないと思えた。従業員の教育、研修には相当コストが投入されていることを実感できる。
1個6元の餃子の内訳を私なりに分解すると、材料費はせいぜい5%程度だろう。あとは、場所代や従業員の賃金、教育研修、そして駐在員の外国人の賃金が大きなパーセントを占める。
「Made in China」
またまた、加工貿易やOEMのことを思い出す。まだ工賃の安い中国でものを作れば、商品ブランドなどの付加価値で国際市場で高く売れる。
「Made in China」よりも、「Made by Who」で、商品のバリューが決まる。
★中国北方料理・長安壱号
<住所> 北京市東長安街1号 北京東方君悦大酒店(Grand Hyatt Beijing)1階
<電話> 010-8518-1234 x 3608
<営業> 07:00~10:00、11:30~14:30、17:30~22:00
<予算> 100元~300元/人