ラオス日記(4)~フランスの面影

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 インドシナ諸国を旅すると、いたるところにフランスの面影を感じる。ラオスも同じ。植民地歴史に対する受け止め方も穏やかだ。

 中国の場合、列強の占拠や統治を屈辱的に受け止められているのは、大国のプライドに起因するものだろうが、ラオスのようなインドシナの超小国は、殖民時代を歴史の一部としてきわめて中性的に受け止め、「コロニアル」という言葉にもアレルギーを感じないようだ。

27739_1小粋なフランス料理店ル・シラパ

 一つ例を取ってみると、上海のランドマークといえば、まず、持ち出されるのが浦東の高層ビル群。外灘(バンド)の旧金融街という上海の歴史をメイン画面に上げることはほとんどない。中国にとってみれば、列強の侵略は中国の屈辱であり、そんな「旧」よりも、「新」をアピールしたいだろう。しかし、一方、上海などの大都市に、「ベルサイユ」や「セーヌ」、「マンハッタン」など欧米のネーミングがいたるところに見られる。列強をそんなに嫌がるのなら、もっと民族的なネームを多用しても良さそうだが、いささか矛盾を感じずにいられない。

 殖民地時代や列強の侵略をマイナスに受け止める必要がまったくないと思う。大国らしい器を見せればよい。

27739_2薩摩芋スープは素朴そのもの
27739b_2メインの鶏料理はラ仏折衷の絶品

 ビエンチャンの街は、ラオス以外の色といえば、フランスなのだ。午前の市内観光を終えると、私が入ったのは、小さなフランス料理店―「ル・シラバ(Le Silapa)」。

 「ボンジュール」、フレンドリーに出迎えてくれたのは、フランス人オーナーの紳士。ビエンチャン在住13年のラオスファンだった。

 昼のランチメニューは、前菜、メイン、デザートにコーヒー付で10ドルという安さ。ワインも15ドルからと高くない。早速、昼から飲み始めた。ほろ酔い気分になったころ、料理が運ばれてくる。何だか、フランス料理といえば敷居が高い。ところが、そんな感じは全然しない。素朴な芋スープ、鶏料理のカレー風味ソース・・・洗練された味でありながらも、田舎臭さがぷん~と伝わってくる。また、それがたまらないのだ。いかにも、ラオスっぽい、アジアの魂が吹き込まれている。われわれアジア人にはぴったりだ。

27739_3市内でマッサージ、1時間400円
27739b_3ビエンチャン市内の移動はトゥクトゥク、運賃は交渉制で大体1ドル

 1時間半かけてゆっくりとランチを楽しんだ。食べ終わったころ、満足の余りに疲れと眠気が一気に襲ってくる。午前中の観光は、暑かった。32~33度の気温に、高い湿度、そして、風がほとんどないことで、大量な汗をかいた体は疲労のピークを迎えた。

 マッサージだ。駆け込んだマッサージ店は、1時間4ドル。力強いラオス式の全身マッサージで、筋肉の一つ一つがほぐれ、30分と待たないうちに、いびきをかいての熟睡状態に陥る。料金が安いので、全身マッサージのあと、さらに、1時間の足マッサージも追加。またもや、熟睡。

27739_4夕方ホテルのプールで泳ぐ

 15:30 ホテルに帰着すると、すぐにプールに飛び込む。夕食に備えて、一泳ぎでもしようと・・・

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