スリランカ日記(3)~スリランカ航空の奇妙な運営

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 バンコク到着の翌日、12月27日の夜便でコロンボに向かうが、デュシタニにレイト・チェックアウトを打診すると、16時までOKと快諾してくれた。

 朝からホテルのプールで読書三昧。14時頃にプールから引き上げ、シャワーを浴びてゆっくりと遅めの昼食を済ませ、16時過ぎにタクシーでバンコク空港へ向かった。

31598_2コロンボに向かうスリランカ航空機内

 20:15、スリランカ航空UL889便が定刻より20分遅れてバンコクを飛び立った。バンコクからコロンボまでの飛行時間は、離陸後約3時間、ちょうど上海東京間とほぼ同じ。この区間を運航するタイ国際航空(TG)もスリランカ航空(UL)も運賃がさほど変わらない。TGなら、スターアライアンスのマイルも溜まるし、サービスもスリランカ航空より良い。本来、当然TGにするところだったが、せっかくのスリランカ旅行で、是非、スリランカ航空を体験してみたいというコンサルタントの好奇心で、ULの航空券を購入した。

 トラブルは、航空券購入時からつきまとう。ULのウェブサイトで購入しようとしたが、オンラインのカード決済が立て続けに3回もエラーになった。原因不明。カード支払いのエラーが一番怖い。「購入」ボタンをクリックしたら、長い時間待たされた末、エラー画面。さて、もう一回クリックするか、随分迷う。何回もクリックしていると、複数回の決済にならないかと冷や冷やする。

 そのとき、電話が鳴った。決済に使われたアメックスカードの香港センターからかかってきた――。「ただいま、スリランカ航空のチケット購入で3回決済されましたね。航空会社のシステム障害がございました。エラー決済のキャンセルを行っておきました。二重請求はございません。ご安心ください。システムを航空会社に調整してもらいましたので、もう大丈夫かと思います。もう一度決済画面に戻って手続きを行ってください」。さすが世界のアメックス!

31598_3スリランカ航空の機内食は悪くなかった

 良かった。やっと、めでたくスリランカ航空の電子チケットを入手。それにしても、ずいぶんいい加減な航空会社だなあと嘆いた。

 乗ってみると、やはりいい加減な航空会社だった。民族衣装のCA(客室乗務員)は、まったく笑顔がない。出発遅延について、一言も謝罪がない。もっと酷いのが、帰りのコロンボ→バンコク便、なんとクルーの遅刻で、出発が丸々1時間の遅れ。

 「クルーの遅刻は、おかしいじゃないですか」と、私が搭乗口のグランドスタッフに苦情を言うと、スタッフが隣の搭乗口に接岸中の飛行機を指差して、「あの飛行機に乗っているクルーが今度、バンコク便に乗務します。あの飛行機が遅れたので、仕方がありません。これから、すぐにこっちの飛行機に乗り移りますから、もう少し待ってください」と説明してくれた。

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31598b_4まもなく、コロンボ国際空港に着陸します

 本当だ。15分後、隣の搭乗口から出てきた機長らクルーご一行様が、深夜の待合室でくたくたに疲れ果てた、ぎゅうぎゅう詰めの300名近くの乗客を横目に、颯爽と口笛吹きながらバンコク行きの飛行機に乗り込んだ。あれあれ、飛行前のクルーのブリーフィングなどはちゃんとしたのか。ブリーフィングとは、搭乗便の航路上の気象情報や到着空港の状況、乗客の状況、特別注意事項などの事前通報、情報共有を目的としたレギュラープロセスなのだ。

 というわけで、後悔はもう遅い。22時過ぎ、スリランカ航空889便がコロンボ空港に到着した。

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