ブラームスとブルックナー、そして肉団子を探し求める

 土曜日は、ブラームス交響曲4番とブルックナー9番の鑑賞。

 同じ時代を生き、同じ後期ロマン派である、ブラームスとブルックナーは、相手の作品に異見を激しく唱え 互いに反発しあう「天敵」であった。ゆえに、いわゆる「ブラームス派」と「ブルックナー派」が生まれたのである。

 私自身としては、ブラームスが好きだ。というよりも、ブルックナーの作品は難しく、哲学的になりすぎるきらいがあって、気楽に鑑賞できないからだ(私自身の鑑賞レベルの問題だとは思うが)。今日、ブルックナーの9番を聴いたことに多少の理由があった。それは、11月に上海公演を予定しているベルリン・フィルの曲目がこのブル9(サイモン・ラトル指揮)で、そのための事前勉強だったからだ。

61957_2サイモン・ラトルとベルリン・フィル

 ベルリン・フィルはオーケストラとして、世界の最高峰である。1989年までは、あの「楽壇の帝王」と称されるカラヤンが終身指揮者を務めていた。余談だが、東京サントリーホール前の広場「アーク・カラヤン広場」も、彼の名前を冠している。

 カラヤンの次にベルリン・フィルの首席指揮を執ったのが、アバドで、そして現任のサイモン・ラトルに至る。本日鑑賞したブルックナー9番はアバド指揮のもので、正直十分に噛みしめて理解できたとはいえない。11月のベルリン・フィル上海公演はどうしようかとためらっているのである。

 最後にまたまた余談で、仲の悪いブラームスとブルックナーにまつわる逸話だが、同じウィーンに住む者同士の反目は良くないと、間に立つ仲介者がいて、両者のためにあるレストランで会食の場を設けた。このとき、ブラームスとブルックナーとも肉団子が好物だったこともあってか、打ち解けた雰囲気となった。そのときのブルックナーは、「ブラームス博士、この店の肉団子こそ我々の共通点ですね」とおっしゃったそうだ。

 肉団子を探し求める。――異なる観点や利害関係者の共通点を見出すことは、コンサルタントにとって、とても重要なことだ。