温泉露天風呂で朝寝坊、そして富士山を求めての長旅

 東京セミナーに合わせて社員の懇親旅行を決行。行き先は東京近辺の1泊2日で、選択肢が限られている――箱根と伊豆しかない。そして、何よりも日本が初めての中国人スタッフには、富士山を見てもらいたい。

82555_1伊豆高原・茄子のはな

 初日6月23日は、8時前に都内を脱出して10時頃に箱根芦ノ湖畔に到着。観光やショッピングして伊豆スカイラインを快走しながら富士山を探していたが、雲の彼方に隠れて顔を出してくれない。仕方がなく伊豆シャボテン公園へ行くことにした。孔雀やチンパンジーとの記念写真、動物ショーなどで意外にも盛り上がる。

82555_2伊豆高原・茄子のはな

 午後3時、早々と宿に入る。今回泊まるのは伊豆高原にある純和風旅館「茄子のはな」。日本といえば温泉、中国人スタッフに喜んでもらうために、この温泉探しには結構時間をかけた。何と言っても、いつでも自由に入れる露天風呂付きの宿がいい。

 そこで見つけたのは、この「茄子のはな」。全6室しかない超小型旅館、大室山の中腹にあって、全室に伊豆の海を望む絶景の温泉露天風呂付。スモール・イズ・ラグジュアリー、客よりもサービススタッフが多いという贅沢、和の寛ぎを楽しんでもらいたい。

 温泉は好きになってくれるのかな、なんて心配御無用。到着早々温泉、夕食を済ませるとまた温泉、そして翌朝5時に起きて布団の中で寝るのがもったいないので温泉に飛び込んで朝寝坊する人もいたとか。この温泉三昧ぶりには脱帽。あっ、そうだ。湯あたり注意を言い忘れた私は、社長失格だ。

82555_3国産アワビの醤油バター煮

 食事も国産アワビや伊勢海老、地魚・・・日本酒は何本も空け、大満足の様子だった。

 翌日は帰国の日。何とか富士山を見たくて、再度伊豆スカイラインを走る。ダメだった。天候不良というよりも雲が厚い。諦めずに帰途を遠回りして芦ノ湖スカイラインを走ってみる。しかし、これもダメ。御殿場に到着すると東名一直線で帰るところだが、ここまで来たらいっそう富士山の麓まで行ってしまえと、富士五湖を目指してスピードを上げる。

 富士山の決意が固い。まったく姿を現してくれない。昼過ぎに山中湖で予定外の野外バーべーキューを食べながら、時計にちらちらと目を落とす私。時間はあまりない。19時過ぎの成田発に乗るために、そろそろこの辺で切り上げないと危ない。途中で渋滞にでも巻き込まれると一巻の終わりだ。

82555_4伊勢海老を前に記念写真パチパチするスタッフ

 日曜日の昼下がり、中央道は空いていた。15時過ぎに新宿通過。首都高も渋滞がなく、15時25分東京駅八重洲口に到着。成田空港で買い物する時間もちゃんとある。良かった。

 2日間、410キロの走行。首都圏のドライブはほぼ20年ぶり。ハンドルを握りながらも、青春時代の思い出で胸がいっぱいになった。

 今度はみんなで北海道へラベンダーを見に行こう。スタッフたちと約束を交わした。