地球上44カ国目、ミャンマー連邦共和国(ビルマ)。本日2013年1月6日午後17時、ヤンゴンに到着した。
理由はまた後日のレポートや著書で述べるが、私は人生第2の創業の地にこの国を選んだ。言葉もできなければ、人脈もない。慣れた中国に比べれば、リスクや不安が何十倍も何百倍もあるこの見知らぬ国。でも、私は決心した。
日本のことをこれだけ嫌った中国にはもういたくない。乞食のように中国に日中友好を求めるよりも、新天地を求めたい。一生懸命仏教を信じて、幸せになろうとするこの国、ミャンマー、そしてここに新天地を求めてやってきた日本企業のために私は出来るだけの力をすべて尽くしたい、こう思ったのである。
根拠も理由もない。周りからどう言われようと、私は決心した。零細企業のオーナーだからこそできることで、とても幸運だと思う。この国の地に踏み入れたときに、私はある予感がした。90年代初頭、私がはじめて中国駐在になったときの興奮が蘇ったのである。あのときの感覚、中国自身は忘れたのだろうが、私は覚えている。初心に戻って、自分の素直な心を裏切りたくない。
明日からリサーチに入るが、その前にすでに決心がついた。周りから言われている。「立花さんの場合、中国で成功しているし、食べるに困らないし、何もいまさらわざわざ未開の地に行くことはないだろう」。このような気持ちに駆られてこそ、日本という国はいま滅びる道を辿っているのである。
些細ないわゆる成功に満足し、現状を守ろうという姿勢、がんじがらめになった日本はリスクを嫌って安全や安心を完全なる善とした時点で、衰退の道をたどり始めたのである。このような故国に「No」をいうよりも、復興の道筋を示すために既得利益をすべて捨て去り、サバイバルの美学を創り上げるしかないと思った。
ミャンマーで失敗し、ドン底に落ちることを覚悟して、立花は新たな人生を歩む。かならず日本という国、日本企業に何かを示唆できると、堅く確信している。