「百貨店強制連行事件」@JR大阪三越伊勢丹

 大阪滞在中に2時間ほどの空白があって、妻にデパートへ「強制連行」された。「ビジネス用の鞄を買いなさい」と。

 私がいま使っている鞄は起業当時、家電量販店のパソコン周辺商品コーナーで買ったいわゆるノートパソコン収納兼用の代物だった。十数年の歳月でとっくに償却済みは言うまでもなく、むしろビンテージ化し、色落ちや傷み、生地の表面のボロボロ擦り剥けた一角に「シャトー・・・XXXX年」の文字が見え隠れする錯覚を起こしそうだ。

94347_2大阪伊勢丹前でショッピングの記念撮影

 「あなた、自分の職業を考えなさい。こんなボロボロな鞄をもってクライアントのところにいって、詐欺師とでも思われるわよ」。鞄のことで妻にけなされるのは1回2回ではない。「ピカピカの高級鞄を持っている詐欺師だってたくさんいるじゃないか」。食にうるさくても、服や持ち物にこだわらない私は自分の持論、いや、頑論を展開する。

 とうとう今回は、百貨店強制連行事件にまで発展した。行く先はJR大阪三越伊勢丹。妻は学生時代からの伊勢丹ファンだ。8階の紳士洋品売り場で、いくつか鞄のラベルをのぞくと、いずれも「Made in China」。せっかく日本での買い物だし、日本製にしようと店員にいう。

94347_3購入したビジネス鞄2点、後ろは無料でもらった伊勢丹オリジナルトートバッグ

 革製品は雨に濡れることが懸念で質問すると、撥水機能のこと、保養のことを詳しく説明してくれる。商品知識や顧客目線、やはり中国の百貨店売り場の数ランク上だ。あまりにも親切な対応で、よし、せっかくだから二つ買っちゃうと、市内ビジネス外出用の鞄と1泊出張でも使える少し大き目の鞄を一つずつ購入した。いずれも日本製。

 私の買い物に釣られたのか、妻も鞄がほしいと言い出したら、店員が早速地下1階の婦人雑貨売り場に連絡を取り、希望商品の照会をしてくれた。

 会計を待っている間に、妻が伊勢丹アイカードに入会(即日から5%割引OK)、伊勢丹オリジナルトートバッグやチョコレートをもらったり、楽しそうだった。

 ショッピングも楽しいものだ。今度は強制連行でなく、自主的買い物を目指したい。