1. 民主主義の導入で衰退・崩壊した国
ロシア(1990年代) → ソ連崩壊後、急激な民主化と市場経済化(ショック療法)により混乱。
ベネズエラ(1998年以降)→ 民主化後、ハイパーインフレと資源依存の悪化により衰退。
イラク・リビア(2000年代以降) → 民主化プロセスが政治的混乱を引き起こし、国家崩壊。
ジンバブエ(1980年以降) → 民主選挙後も経済政策の失敗でハイパーインフレ。
エジプト(2011年以降)→ アラブの春以降、民主化が進むも、政治の混乱が続き、経済低迷とインフレが悪化。
【結論1】 民主主義では、政治の安定も経済成長も保証されない。逆に政治の混乱、経済の衰退、国家崩壊に至らしめる。
2. 民主主義の導入とともに繁栄した国
ドイツ・日本(ともに敗戦後の復興)→ 焦土からの回復。
【結論2】 民主主義が経済繁栄の直接要因になっていない、アメリカの支援+政府の産業政策+市場経済が決定的要因だった。
3. 独裁時代に経済成長を遂げた国
韓国(朴正熙時代:1960~1979年) → 独裁体制下で輸出主導の工業化。
台湾(蒋介石・国民党時代:1950~1987年) → 独裁体制下で半導体産業の基盤形成。
中国(改革開放後の鄧小平:1980年代~現在) → 政治は一党独裁のまま、世界2位の経済大国に成長。
シンガポール(リー・クアンユー時代:1965~1990年) → 強権体制下で金融・貿易立国へ。
【結論3】 独裁権威体制は、適切な経済政策があれば、強力な成長エンジンとなり、国民に豊かさをもたらす。
4. そもそも民主主義の元祖諸国とは?
今世界の主要先進国、とりわけG7は日本(敗戦再建型)を除いて、ほぼ産業革命の恩恵で先進国の地位を確立してから民主主義を完備させたものである。
【結論4】 産業革命の恩恵を先に受けた国々が民主主義を採用した背景には、富と権力の蓄積があった。一方、民主主義は平等な制度のように見えながら、実際には既得権益層の支配を強化し、大国による他国への介入(傀儡政権の擁立)の正当化に使われている。特にアメリカは「民主主義の輸出」を通じて、自国の利益を確保しようとしている。これは理想的な民主主義とは異なり、むしろ覇権主義的な戦略の一環といえる。