<上海>福1039、幻の鰣魚と絶品紅焼肉美食尽くし懇親会

 日曜日の夜、7連勤を終えた社員たちと懇親会に出かける。本来は、ミャンマー人実習生の歓迎会だったが、来中が取りやめになったので、社内懇親会兼私の学位論文合格祝賀会に変わった。

99077_1路地裏の隠れ家、上海料理・福1039

 久しぶりの中華料理で、みんなが楽しみにしていた。今回使った店「福1039」は、私も初めてでネットで匂いを嗅ぎつけて選定した。案の定、店の人に聞いたら日本人客があまり来ないと。ローカルの美食党の集いの場になっていて派手な宣伝もしなければ、看板も出していない細い路地裏の隠れ家だった。

99077_299077b_2静かで上品な個室

 出汁がしっかりしている。中華料理の良し悪しの判断基準は日本食と共通していて、出汁である。味の素や調味料をバンバン使っている店だと、後味が悪い。食べたあとの数時間、口腔から喉元のあたりまで全体的にいやな膜が張り付いているように喉が渇き、水分を欲する。

 上海料理といえば、紅焼肉(豚の角煮)。この一品で勝負する。紅焼肉に対する私の判断基準は4つ――。(1)脂身は油っぽくない、(2)醤油味は醤油っぽくない、(3)八角や桂皮は香辛料っぽくない、(4)砂糖は砂糖っぽくない(甘さ控えめ)。言ってみれば、「紅焼」っぽくない紅焼肉が一番いい紅焼肉。この店の紅焼肉は台北の名店「天香楼」に比べると少々濃厚さが目立って遜色を否めないが、大陸では屈指の味といえる。

99077_3紅焼肉

 もう一品の目玉は、清蒸鰣魚(ヒラコノシロの姿蒸し)。日本人には馴染み薄い川魚料理だが、中国人美食家の間で知られている幻の高級魚なのである。揚子江から取れた希少な魚で、4月~6月の産卵期の鰣魚は、幻中のの幻。今はまさに旬。この魚は、鱗付きで調理され、鱗の下の甘皮が絶品、そして鱗と一緒にいただくのである。鱗はその甘みとうまみを存分にしゃぶって優しく噛みしめて飲み込むと、まさに目から鱗が落ちる状態で、美食に目覚めるのである。

99077b_3清蒸鰣魚(ヒラコノシロの姿蒸し)

 前菜5品、料理9品、点心1品のオリジナル献立でかなりの満足感。帰宅後のシガーで至福の頂点に昇天する。

99077_4帰宅後、至福の一服

 ご馳走様でした。来週も頑張るぞ。

★上海料理 福1039
<住所>   上海市長寧区愚園路1039号
<電話>   021-5237-1878
<営業>   11:00~14:00、17:00~24:00
<予算>   300元~800元/人