香港にデモがあるから安心して投資しよう

 土曜日、久しぶりに上海香港会に顔を出した。香港の最近の騒ぎが話題になって、民主的選挙などを求める「占中」、いわゆる「中環占領」、セントラル広場での座り込み、平和デモのことだが、木津さんは、「セントラルに騒ぎが広がったら、HSBC本店へお客様のご案内もできなくなる。民主主義としていいことだが、ビジネスではなるべくそうなってほしくない」といった。

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 別の角度からみてみよう。日本では許されても国民はデモをしない。中国ではデモしたくても許されない(結局、反日デモという間違った方向に暴走)。香港では許されてかつ市民がデモする。これは民主主義制度があって(一応まだ形上ある)、なおかつ市民権の定着、成熟社会の如実の反映ではないだろうか。

 だからこそ、香港はある意味で中国大陸に比べてより高度な法治社会であり、また日本に比べてより自由な金融市場、投資市場としてその魅力があると認識すべきだろう。もし、将来にある日、香港ではデモが見られなくなったら、デモが許されなくなったら、それは香港から金を引き上げる日なのかもしれない。

 香港にデモがあるからこそ、安心して投資しようと、私はこう思う。