体感温度の中国経済(3)~中国はイタリアと同じ道を辿るか?

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 ちょう2日前に、英フィナンシャル・タイムズが中国GDP、経済関連の社説を掲載した。昨日の「日本経済新聞」では、訳文「中国は経済だけの超大国」(社説)が掲載された。

 私が注目したのは、フィナンシャル・タイムズ紙の英語原文であった。不思議に日経新聞が訳したのはその副題「Chinese superpower is thus far limited to the economy」であって、原文の本題がなぜか省略されたのである――「China’s sorpasso is a numbers game」(中国の追い越しは数字ゲームである)。

 さらに、私は目がとまったのは、「Sorpasso」というイタリア語である。「追い付き、追い越し」という意味だが、英語の「Overtake」「Surpass」をなぜ使わないで、イタリア語の「Sorpasso」を使ったのだろうか。

 それはおそらく、1986年~1987年頃、イタリア経済規模(GDP)が英国を抜いた歴史を用いて何かを暗示し、90年代以降経済低迷が続くイタリアに中国を重ねて、これを示唆するものではないかと、私はそう読んでいる。

 といっても、私は体感温度的に、中国がイタリアと同一道をたどると思わない。イタリアの強い産業はと聞かれたら、観光やファッションと、挙げられるのだが、中国は?

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