渡部卓教授からの回答コメント、在中日系企業のメンタルと就職の関係

 昨日のブログ記事「日本人駐在員のうつ病で、日系企業が中国大学生に見捨てられるか」で、メンタルヘルスご専門の渡部卓教授に異見を提示したところで、教授から私のFBにコメントを寄せてくれた。以下転載する(敬称略)。

渡部卓  立花先生、ご無沙汰しております。御指摘の点、そのように私も思返したり、言葉足らずと感じた面もあります。特に研修を受けて職場に戻ったときの「旧態依然」周辺環境整備の立ち遅れが大きな妨害要素になっているのは良く聞いた点ですし、給与についても増加率などの視点も必要でした。表題も引っかかるお気持ちも分かります。先生の今回の御指摘、感謝しており今後の機会があればより多面的に発言したいと思います。ぜひまたお会いする機会をいただき、前回からの時間も経ってますので、色々と教えて頂ければと思っております!

立花 聡  駐在員のメンタルケアと大学生の就職の因果関係は果たしてあったんでしょうか。ロジカルな論法をぜひお願いしたい。 正直申し上げます。この記事の書き手が無理してメンタルケアのほうに結論を持っていこうとするところ、逆に渡部先生ご自身が意図されていない商業的な成分を突出させてしまう恐れがあって、大変違和感を感じた次第です。

渡部卓  中国駐在員のメンタル面やモチベーションが良好に見えない点が、企業選択での影響があった事を示していきたかったのですが、メンタルケアに直接か?との御指摘の点は先生の疑問、ご指摘もしかりであり、今後ぜひ調査に含めてやってみたいと思います。

立花 聡  渡部先生はメンタルの専門家でおられます。メンタル問題にとどまらず、メンタル問題の根源を掘り起こすという川上、あるいはメンタル問題の影響を評価するという川下、幅を広げて探索される学術的、実務的意義が大きいと思われます。同時に研究対象や影響要素が多岐に広がり、複雑な検証も絡んでくることはご存じのはずでしょうから、きっちりとした論法のもとで結果を出されることを期待しております。さらにメディアのほうでは、記事のライターも素質にばらつきがあったり、あるいは取材対象の主旨を忖度することがあるかもしれません。ぜひ出稿前の検証をしっかりお願いします。

渡部卓  立花先生のご指摘、違和感、親身に感じ感謝します。日本でもやっとメンタルケアが法制化され、ただ駐在員の方々の不調に本社が見て見ぬ振りの実態を見てきました。学生の就職時の感じ方を含めて内容を盛り込み過ぎた反省があり先生のご指摘もありがたく、今後の活動を反映をさせるようにいたします。ぜひまた日本でもお会いしながら、ご指導頂ければと思います。

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