まずは、天津の大爆発で亡くなった方々のご冥福をお祈りします。ベトナム出張のこの一週間、中国は人民元の突然の大幅切り下げやら爆発やら、大騒ぎ続き激動の一週間であった。大きな曲がり角に差し掛かったこの国、この先はどこへ行くのだろうか。リスク、日系企業にとって中国リスクはもはや机上の空論ではなくなってきた。
中国と正反対に、ここベトナムは、昇竜の勢いを見せている。ホーチミン市はまさに90年代初頭の上海とそっくり。テイクオフ前夜の興奮が街中に充満している。
しかし、ベトナムにはベトナムのリスクが当然ある。企業にも個人にもリスクなしの世界はどこにも存在しない。ただ、リスクには、取れるリスクと取れないリスクがあり、機会を生むリスクもあれば、危機を孕むリスクもある。さらにリスクの取り方によって、リスクの性質に変化が生まれることもしばしばある。
要するに、リスクはその本質を適切に認識したうえで、取るか取らないかの判断をし、動態的にリスクと付き合っていかなければならないということである。もちろん、リスクの分散は言わずと知れた常識であり、ベトナムをはじめとするアジアへの産業移転はごく自然な現象であろう。
最後に経営者に一言――。リスクを経営失敗の理由にするのは、経営者失格だ。「想定外」や「未曾有」といったことも決して理由にならない。リスクテイクの是非を判断し、リスクを取り、想定外や未曾有に対応することが経営者の仕事だからである。






