ベトナムの反中運動と中国の反日運動

 ベトナムの反中運動と中国の反日運動。読者から早速課題提起をいただいた。フレッシュなネタで、またチャイナ・プラス・ワンの日本企業にとって意義が大きい。

 実は、顧客向けのレポートのネタにしようと、資料を集め読み込んでいるところだ。そういったこともあって、また本件政治的な判断材料もかなりセンシティブなので、論考の一般公開は躊躇わざるを得ない。ただ、ブログでは少なくとも本質を探究する視角の提示ができればと考えている。

 本件について、現在なお進行形となっているため、最終的な結尾を見ずに乱暴な結論付けは控えたい。要は、読者の方もすでに指摘しているように、ベトナム政府がこの手の暴動を制御する力は一体持っているかどうか。この点に否定的な結論が出れば、ベトナムの致命傷となりえるし、また企業によっては投資対象国からいったん外すということもあり得るだろう。

 逆に、中国の「反○運動」の本質と政府、当局者の制御力はどうだろうか。これは時間軸的に動態的に考察、予測しなければならない。そして、その「本質」については、「反○運動」の純粋度というキーポイントを含め、多元的な考察も必要になってくる。この辺、論考の展開は性質上、各種の私的場で、企業経営者と情報や観点を共有したい。

 ベトナムに限った話ではない。タイの政局不安定問題、インドネシアの労働組合問題、ミャンマーのインフラ問題、あるいはインドの空気汚染問題・・・。アジアは決して天国ではない。あれこれ顕在的、あるいは潜在的なリスクが存在している。企業に求められることは、ポータブルなリスク耐性(どこに行ってもサバイバルできるDNAと能力)とリスクの分散、そして何よりもメディアに流されない、本質を洞察する力であろう。

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