カラフルの躍動感蘇るハーブのパワー、戦うぞベトナム料理

 ベトナム料理が大好きになった。

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 ベトナム料理といえば、生春巻きとフォー。いやいや、全然違う。まず、生春巻きとフォーだけでも、店や屋台によって具材の組み合わせや味付けが微妙に異なる。そのバリエーションを楽しみ、何回食べても飽きない。

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 さらに生春巻きやフォーのような、日本人お馴染みの定番料理以外に、ベトナム料理の種類は実に豊富だ。地方色豊かな北方系や南方系、中部系といった大分類から料理品目の中分類、さらに同じ料理でも前述のとおり具材の組み合わせや調理法によって特徴を表す小分類へと無数のパターンを織り出す。

 それではまだ足りない。最後の決め手といえば、何と言っても、ハーブ。

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 ベトナム料理を注文すると、必ず別皿でたっぷりと山盛りのハーブが添えられる。薬味は脇役扱いされがちだが、とんでもない。薬味で料理の表情が一変する。ベトナム料理の場合、ハーブはその香りや癖で敬遠する日本人もいるが、ぜひ慣れてみてほしい。慣れると世界が変わり、ベトナムにはカラフルな躍動感が生まれる。

 コリアンダーやバジル、ディル、ミント、紫蘇、ドクダミ、タデ・・・。あとは、名の知らないものがたくさん。蒸し暑い空気に悶絶し、疲労感に襲われるなか、熱々のスープで全身の汗を大放出させ、そしてどさっとハーブを口に放り込む。一瞬にして脳や胸、体の隅々まで清涼剤が注入され、浸透していくかのように、世界の色彩感が一気に蘇る。

 また戦える。戦うぞ。――もしや、ベトナム人がこれでアメリカ人に勝ったのではないかと・・・。