断食の空腹感と飢餓感、椰子狩りの揺さぶりでサバイバル

 昨日旧暦大晦日に、一日(24時間)断食を実施した。前夜の夕食を最後に、水分以外一切食事を取らない状況で24時間、昨晩復食した。目的は内臓の掃除、代謝機能の活性化、味覚のリセットと感想獲得である。

 空腹感に猛烈に襲われ始めるのは、昨日昼過ぎ。朝食を抜くのがよくあることで、体は驚かない。必ず昼食がやってくることを知っているからだ。昼食も抜かれると、体が反応し始める。気を紛らわそうとあえて軽く水泳することにした。それは面白い現象が発生する――。

160208-1100-Home椰子狩りの欲

 プールサイドのたわわに実っている椰子の実を見上げ、それを取るにはどうすればいいかを考え始める。梯子もなければ、棒もない。木を揺らしても屈強な椰子はびくともしない。そうだ、縄だ。縄はないかと見回って縄もない。あと数時間我慢すれば夕食にありつくのに、なぜ椰子狩りに欲が出たのか、それに驚く。

 いや、本能だろう。自己保存の本能。もし、夕食の目処が立っていなかったら、きっと私は動物のように、本能剥き出しで椰子狩りにあらゆる方法を動員して実力行使に踏み切ったのだろう。

 空腹感と飢餓感の違いがだんだん分かってきた。所定の時間になると、体が「腹減った」と自然に反応し空腹感を作り出す。その空腹感がしばらく続いても応えられないと、体がおそらく危機として捉え始め、飢餓感に変わっていくのであろう。そこでいささか人間の自己保存本能が働き出し、それが次第にサバイバルモードに切り替わっていく。

 飽食時代の人間のサバイバル力低下は、生命力の弱化を意味する。これはもはや致命的だ。生活や仕事、あらゆる社会活動に通じる原理である。企業経営や人事管理においても、当事者たちに定期的に一定の「空腹感」や「飢餓感」を与えないと、やがて危機感が失われ、生命力が弱化していく。

000「揺さぶり」かけた翌日の収穫

 と思いつつ、今朝庭へ行ってみると、椰子の実がたくさん落ちていた。昨日の「揺さぶり」が効いたのか。なるほど。今日も断食しようかな・・・。