新ビジネスクラスの秘密、マレーシア航空の再建が進む

 9月10日(土)。6泊のベトナムと中国出張を終えて、上海からマレーシア航空MH389便でクアラルンプールへ帰還する。

 初めて、新ビジネスクラス・シート搭載機を利用。マレーシア航空は今年、長距離主力機A330のビジネスクラスを一新し、スタッガード式配置(座席が半列ごとにずらされて配置される形式)を導入した。

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 スタッガード式の場合、通常1-2-1の配列で全席が通路側アクセスを確保するはずだが、マレーシア航空の場合、一部1-2-2にしているので、1席あたりの占有スペースに大きな差(不公平?)が生じる。

 つまり、2席配列の前後の1席は、左右両方に広々としたサイドテーブルを独占する特権をもつ。スペース的にはファーストクラスに匹敵する。私が予約した「1K」はその席にあたり、しかも1列目なので前方に障害物がなく、さらにスペースが広い。まさに「One King」の「1K」である。

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 よく見ると、新ビジネスクラスは、従来の36席から27席に減少している。前方ビジネス客室の後部は仕切られ、そこになんとエコノミー席16席が増設された。つまり、9席のビジネス減席と16席のエコノミー増席。

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 昨日の搭乗便は、エコノミーほぼ満席だが、ビジネスは6~7席の空席があった。いうまでもなく新シート配置の収益性は旧型機より上だ。ここ3年毎月数回マレーシア航空を利用しているが、一般的にエコノミーの搭乗率がビジネスを上回っていることが分かる。賢い変更だ。

 マレーシア航空の再建は、6000名のリストラとともに、不採算ルートの減便・廃止、航空機の売却と機種の絞込み(整備コストとパイロット訓練コストの削減)から、このような座席数の比率調整まで及び、生産性・収益性重視の施策を中心に確実に進んでいる。

 直近の発表でいずれも前年比だが、マレーシア航空は、全体コスト32%減、人件費40%減、乗客1人あたりの平均運賃収入22%増と、黒字転換は目前である。

 めでたい、めでたい・・・。