ベトナムも人件費が重大経営課題、人事よりもまず財務

 先日(10月24日)、ホーチミンでベトナム初の「3階建人事制度セミナー」を開催。

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 2017年版の3階建人事制度は思い切って財務を切り口としてバージョンアップした。人件費コストという財務観点をメインに取り入れたのは、やはりベトナムの人件費問題はもはや座視できない段階まで来ているという背景がある。

 ベトナムといえば、人件費が安い。特に中国からベトナムへの投資シフトはまさにコストが主因になっていた。しかし、状況は変わりつつある。

 2015年末ジェトロが発表した「在ベトナム日系企業の経営上の問題点」の調査結果によると、経営上の問題点としては、ベトナムでは「従業員の賃金上昇」との回答が2014年より3.5ポイント上昇し、77.9%で最多となり、経営のトップ課題として注目されている。

 非常に単純な問題だが、このような賃金上昇傾向が向こう10年も続いた場合、企業は経営目標とされる利益は出せるのか。実は問題は賃金上昇そのものより、さらに深層の構造的部分にある。減給も解雇も自由にできない同国の労働法体系の下で、企業内の高齢化が進行していけば、その先は労働生産性と賃金コストのかい離が拡大し、企業経営に致命的ダメージを与えるからだ。

 日本で一般的とされる役職定年は、ベトナムで実施できないのである。高齢化する従業員は転職力が低下する一方、長年積上げてきた既得利益を守ろうとしポストに居座れば、若年層従業員の上昇空間が閉ざされてしまう。ガラス天井がどんどん大きく、厚くなっていくのである。

 このような問題はいますぐに取り組まないと、ベトナムでは数年の時間で中国同様の深刻なコスト問題に遭遇する。雇用や賃金の流動化と柔軟性を確保すべく、企業は人事課題を財務課題と並行して取り組むよう、私は在越企業に呼び掛けている。

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