ペナン食い倒れ日記(18)~ぶっかけご飯万歳、ナシカンダーで朝食

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 ペナン食い倒れツアー5日目。いよいよ第9ラウンド、最終ラウンド。

 8月16日(木)はクアラルンプール帰還の日。昼の出発を控えて、朝から最終ラウンドということで、これもエディソン・ホテルから至近距離の「Nasi Kandar Line Clear」(ナシカンダー・ラインクリア)へ出かける。

 「ナシカンダー」というのは、インド系のイスラム教徒が切り盛りするローカル飯屋のこと。文字メニューはない。惣菜系のおかずがずらっと並んでいるから、まずプレート皿にご飯を盛って、好みのおかずを選んでどんどん載せていき、最後にこれも好みのカレー汁を数種類かけて出来上がり、というシステムだ。

 日本の場合、レストランにいくと、A料理とB料理の組み合わせ、B料理とC料理の組み合わせ、さらにオプションとして飲み物やデザートの追加などで、豊富なセットパターンを用意してくれる。しかしそれはあくまでも顧客好みの想定にすぎない。現に個人の好みは無数の組み合わせがあるだろうし、情況によって動態的に変化もするものだ。

 そういう意味で、マレーシアのこのおかずぶっかけご飯(「経済飯」ともいう)システムは極めて合理的だ。中華の飲茶システムによく似て、「現物選択」方式なのだ。店側の運営コスト削減にも絶大な効果がある。メニューの用意やら注文取りやら料理出しやらすべて不要だ。従業員の研修もシンプル、会計のやり方さえ覚えれば即勤務できる。

 私はおかず4種類のぶっかけご飯に、チャイ1杯、水1本で合計15リンギット。400円でこれだけ美味しいご飯をお腹一杯いただけて本当に幸せだ。これで昼食を抜いても全然問題ない。350キロ走ってクアラルンプールに帰ろう。

 ご馳走様でした。

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