ボーイング737Max運航停止の決定でみる日本の没主体性

 エチオピア航空ET302便墜落後のわずか20時間、中国は世界一速くボーイング737 Max 8型機の運航停止を発表した。

 米中貿易戦争のセンシティブ・タイミングに政治的動機づけを疑う見方もあろうが、結果的に、利用者の安全という第一義的な意味で、中国は極めて迅速かつ正しいことをやったと、高く評価したい。

 これに比べて、日本は行動が遅く、FAAの判断をうけて、ようやく運航停止を発表。いかに、日本が「没主体的」「受動的」であることを世界に見せつけた。

 日本には、早い段階で事故同型機のリスクを察知した専門家がいないとはとても思えない。結果的に、決断の責任をとりたくないという自己保身が先行したにすぎない。

 権威の見解をはじめ、根拠や依拠を求めることは大切だが、ただ危険を伴う事項に関しては自主的な即断は欠かせない。責任とは、作為だけでなく、不作為にも起源する。

2018年5月15日、搭乗中のエチオピア航空機内からの撮影

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