積丹と小樽の旅(7)~寿司も良いが、「おおとみ」の郷土料理は絶品

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 9月14日(土)、小樽入り。

 小樽は複数の漁港を持ち、港町として栄え、「寿司屋通り」たる通りまで存在する「寿司の街」である。市内に寿司店はなんと100軒以上もある。選ぶのに大変で、どこで食べたらいいか迷うほどだ。そこでぶらぶら散策して適当に入ることにした。「日本橋」という店。

小樽寿司店「日本橋」の寿司

 昼は寿司で、夜は郷土料理。まず選んだのは路地裏にある「おおとみ」という小さな店。

 地元の客しか来ていないローカルな店。もちろん、家族経営。飲食店の場合、私はフランチャイズ系や企業経営系よりも、家族経営の店が好き。理由を言うと、ある意味で家族経営店の生産性が全般的に高く、阿吽の呼吸で自然な役割分担が行われているからだ。

 言葉が要らないほど、相手の挙動を読んで行動しているし、動線も非常に合理的だ。客として見ていても、オペレーションにぎこちなさがほとんど見られない。

 まずは刺身で食材をチェック。申し分なし。続いては螺焼き。これも絶品。

 いよいよ八角の番だ。しかし、塩焼きにしようか、軍艦(味噌)焼きにしようかと悩む。若大将が瞬時に私の心を見通す。「お客さん、塩も軍艦もどっちも捨て難いから、2枚下ろして両方出しましょうか」。泣いて喜ぶ気分だ。家族経営のこういうところが本当に素晴らしい。

八角の塩焼き(上)と軍艦焼き(下)

 魚だけでなく、肉も。「げんこつザンギ」という名に釣られて注文してみると、これもまたもや絶品。ホクホクに揚がった鶏肉の厚い身に包まれるジューシーさ、もうたまりません。

 さらに銀だらカマ焼き。言葉を失う……。

 ご馳走様でした。

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