売れない不動産の便乗在庫一掃、マレーシアMM2Hの変質に注目

 今朝(9月22日)のマレーシア華字紙「南洋商報」が再度、同国の不動産市場を取り上げた。一節を抄訳する――。

 「我が国(マレーシア)の不動産が売れていない。末期的な状況だ。国家産業情報センター(NAPIC)の報告によると、2018年末現在、マレーシアの未販売不動産物件は3万2313件にも達し、時価総額は驚くべき198億6000万リンギットに上る。これは長期的に蓄積された問題であり、供給と需要関係が崩壊しているのだ」

 直近の香港デモから香港人の第二次移民ラッシュが起こりつつある。これに便乗してマレーシア当局が懸命に、「マレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H)」を売り込もうとしている。それは分かるが、注目すべきは、不動産購入に紐付けようとしているところだ。

 政府内部で検討されている「不動産オーナーキャンペーン (HOC=Home Ownership Campaign) 」は、不動産購入印紙税のディスカウントと合わせて、デベロッパーと組んで購入価格の10%割引といった特典も盛り込もうとしている。詰まるところ、どさくさに紛れて外国人に売れないマレーシアの不動産を売り付け、在庫一掃しようとする魂胆ではないか。

 売れない不動産を買っても、供給過剰で資産価値が上がらない。最近業者が某日系大手デベロッパーのクアラルンプール都心部の大型物件を大々的に宣伝しているが、同じ問題である。誰が住むのかということだ。

 私が何度も繰り返し、指摘しているように、3つの事実が明らかだ――。

 1つ目は、マレーシアの不動産供給過剰が深刻な問題になっていること。供給が需要をはるかに上回っているだけに、不動産相場の上昇が望めないこと。

 2つ目は、供給過剰になっている物件は、ほとんど外国人向けの100万~200万リンギット(法定購入最低価格)以上のいわゆる高級物件ばかりであること。

 3つ目は、外国人MM2H保有者にババを掴ませようとしていることだ。

 これも繰り返し言っているが、マレーシアの不動産市場がダメでなく、外国人向けの「高級物件市場」はダメである。日本人投資家や移住者、MM2H保有者の皆さん、くれぐれもカモにされないように。

 ファンダメンタル的に、マレーシアは経済発展しない国なのだ。昔から今まではそうであったように、将来もそうである。マレー人は経済発展に興味がない。生活はなんとか守られているだけで十分だ。そこでわずか2割強の中華系がガツガツ働いてどんどん豊かになっていっていいかというと、いいはずがない。格差の拡大は国家や政権安定を脅かすからだ。だから、「全員停滞」がマレーシアの宿命なのだ。

 マレーシアは移住先として日本人になぜ人気があるか。快適な暮らしができる割りに物価が安い。それは経済発展しないから、実現できたのである。物価が安くても、自分が買った不動産だけがガンガン上がる、そんな虫のいい話は世の中にあるか?!

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