<上海>絶品の数々、中華B級のトップクラス「王中王」

 上海出張中。B級中華ということで、ホテルの近くにある「王中王」という無名な庶民食堂に入った。

 ここ数年、とにかくB級にこだわってきたのは、肩が凝らないところにある。特に中華の場合、B級といってもA級と変わらない美味しい料理が多く、いや、場合によってはA級を凌駕する美味にありつくこともしばしば。

白斬鶏

 この「王中王」もそんな1店である。白斬鶏といえば、上海人が黄油(皮下脂肪)を好むが、ここの白斬鶏はあっさりと余分な脂肪がなく食べやすい。樟茶鴨は四川系料理で、くすのきと茶の葉で燻したアヒル。絶品だ。

樟茶鴨

 小籠包。日本人はなぜか某台湾系大手の小籠包を好むが、あれは洗練されすぎて、私の好みではない。小籠包は、皮が薄ければいいわけではない。庶民系の小籠包はやや皮が厚めで、あれが美味しいのだ。ここの小籠包はまさに庶民タイプである。うまい!

皮のやや厚めの小籠包

 この店はどうやら鶏アヒル系料理が得意のようだ。2日目食べた南京の名物料理塩水鴨も絶品。酒が進む。2日とも白酒を豪快に呷った。

 塩水鴨

 野菜料理も素晴らしい。良質な材料を使って、油控えめのところが良い。糸瓜毛豆には油面筋(中華お麩)が入るのが一般的だが、ここは油面筋抜きで完全な野菜料理としてあっさりといただける。

糸瓜毛豆

 2日間連続、「王中王」に通った。美味だけでなく、コストパフォーマンスも抜群。素晴らしいB級店である。