2輪のハイビスカスの花が咲いた、花咲くことと花散ること

 庭にハイビスカスの花が咲いた。隣合わせの2株が同時に咲いたのは珍しい。日本のように鉢植えでなく、庭木として楽しめるのも南国暖地ならではのメリット。

 1日花といわれているだけに、ハイビスカスの花の寿命が短いが、マレーシアのハイビスカスは2~3日も咲いてくれる。品種改良されているかどうかは知らないが。

 私は植物の知識が少なく、いつもその話題になると、妻が滔々としゃべってくるが、私は黙りこむだけ。でも、やはり人間は花のない世界に生きていられないものだ。

 花咲くのが美しいが、花散るところに美を見出し、哲学的に表現するのは日本人だけではないかと思う。南国には残念ながら、桜散る風景が見られない。すぐ散っていくだろうハイビスカスの花を眺めながら、思い出すのはこの一句――。

 「落花枝に返らず、破鏡再び照らさず」。米中関係にぴったり当てはまる。と、そんなことを言い出したら、また妻に笑われる。花まで素直に楽しめない男である。

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