「Crisis Trustee」とは?戦争や動乱の危機に備えての自助救済

 某大手日系企業、リスク対策マニュアル作成依頼案件の契約、調印を交わした。立て続けの大型リスク・マニュアル案件受注である。内容的にいうと、「リスク」ではなく、どちらかというと、「クライシス・マネジメント」、動乱や戦争発生時の「ヒト・モノ・カネ」の応急対応とBCP(事業継続計画)策定である。

 法人代表者の身柄、安全面から考えて、私が一貫して提唱しているのは、「トップから逃げる」。トップ以下日本人幹部全員引き揚げた後の企業運営はどうするのか、誰に託していいのか?

 「Crisis Trustee」――。聞いたことなかろうが、私が作った言葉だ。危機発生時、企業経営の受託者・管財人のことである。最近、危機意識の高い日系企業の間では、すでに認知度が上がってきた。

 時代の流れが大きく変わる転換期に差し掛かってきているように思えてならない。無事や平和を願わぬ者はいないだろうが、ただの神頼みでは最終的に犠牲者になるのは自分である。自分の身は自分で守る時代なのである。

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コメント: 「Crisis Trustee」とは?戦争や動乱の危機に備えての自助救済

  1.  「トップから逃げる」理由は、産経新聞の私に対する取材コラムをご参照ください。→ http:★sankei.jp.msn.com/world/news/140403/chn14040303180000-n1.htm
     会社全体利益を考えるうえでやむをえない経営決定でしょうし、もちろん、そのトップがきちんと戻れる方法はちゃんとあります。それはいま数多くの企業で私どもがやっている「クライシス・マネジメント」の一環でもあります。ご提起された課題はまさにその通りの課題です。

  2. 「トップから逃げる」。インパクトのある響きです。
    危機管理としては正しいのかもしれませんが、危機が去った後、再び元の位置に戻ることは可能なのでしょうか?
    一生、「先に逃げたね!」の烙印を押されて立ち上がれなくなるということはないのでしょうか。いろいろ道理を述べ立てることはできますが、この「先に逃げたね!」の印象を拭うのは難しく、他のことが忘れられたあとでも、ずっと引きずることになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

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