「没問題」
――中国の仕事や生活で、私がもっとも恐怖を感じる言葉の一つだ。この「没問題」は概ね5つの可能性がある。
一、本当に問題が存在しない。
二、問題は存在するが、発言者は自力で問題を解決する自信があっての保証。ただ、後、発言者の予想を超える問題が発生した場合、「我没有想到・・・」(そんなことは想定していなかった)で片付けられてしまうので、要注意。
三、問題が存在し、簡単に解決できないことを承知のうえでの「没問題」。たとえば商談を成立させたい場合、問題隠しすることもありえる。とりあえず目的達成してから、また考えればいいと。
四、問題について定義付けが違う。当事者双方が問題視している内容や程度が違う。片方にとって問題であっても、相手方にとって問題ではない。たとえば、商品に小さな傷があって客が販売員に指摘すると、「没問題、使用上影響がないから」と販売員が切り返すのがその典型だ。
五、問題についてまったくの無知である。
この5つの可能性を均等とした場合、本当に大丈夫だという確率は5分の1である。心配せずにいられないわけだ。
だから、没問題は最大な問題だ!