ホンダ中国スト、日本本社主導体質の脆弱さ露呈

 「解決策はなお見出されていない」

 ホンダ中国のストで、完成車を生産するホンダ系中国4工場(うち東風本田汽車は稼働中との報あり)の操業が止まっていることについて、東京のホンダ本社はこう回答した(5月28日付 毎日経済新聞)

 意思決定は日本本社に頼っている状況は、先にあったばかりのトヨタリコール事件を想起させる。現地のトップは一番状況を把握している。即時の対応が求められるが、権限のないことは誠に悲しい限りだ。何もかも日本本社にもっていくが、果たして、本社の意思決定が現地より優れている保障はどこにあるのか。いまは、法律の問題ではないのだ。現時点の情報を見る限り、ホンダの賃金体系には違法性が認められていない。中国社会の特殊の問題で、より政治的な解決が求められているのかもしれない。それに対して、日本本社に対応の能力はあるのだろうか。

 そうしているうちに、反応が鈍く対応が徹底的に遅れ、事態の更なる悪化を招く。本社意思決定によるグローバル経営体質の脆弱さは露呈している。多くの日系企業の通病である。もちろん、ホンダは意図的に解決を遅らせ、温存戦略をとっているのなら、話は別だが、どうもそうではないらしい。操業停止に伴う損害はどんどん拡大し、傷口もどんどん広がるだろう。

 「現地のトップが全責任で対応している。本社としてはノーコメント」

 メディアにこのように回答できれば、日本企業も真のグローバル企業になったといえる。どうも近い日に実現する見込みが薄い。

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