精神論にかかりやすいのは、大企業か中小企業か?

 私は経営コンサルタントで顧客のほとんどが、大手企業。中小企業から本格的に仕事の依頼を受けたことがない。ただ、中小企業経営者の友人や知人はいる。観察していると、面白い発見があった。

 精神論。日本人の弱点ともいわれているのだが、実は大手企業も中小企業も同じ精神論の問題を抱えている。ただ私の限られた観測では、その発生状況が傾向的に異なっている。

 大手企業の場合、意思決定に至るまでは精神論の症状が少なく、過剰なくらいに調査や検討を重ねる。どちらかというと、空気づくりに重点を置く。集団の意思決定により責任分布の平準化が主旨であるから、そうした意味で理性的な裏付けが求められる。

 ただ一旦意思決定された事項については、状況が変わってたとえ配色濃厚になってもなかなか方向修正ができない。そこで、精神論が芽生える場面が増える。当初の意思決定に間違いがなかったはずなのだから、頑張れば必ずうまくいくと情緒的になる。意思決定の時点で正しい結論であっても、状況が変わるのだから、自己否定と修正が必要だという認識を持ちにくい。

 中小企業、とくにワンマン経営者の場合、大手企業より強いのは、意思決定の早さ。その多くは論理的な調査や検証ではなく、経営者の直感・直観、時には精神論に頼る。それがうまく当たった場合、あるいはたまたま時勢に便乗できた場合、大手企業よりもうまくいく。

 そこで経営者はますます「自信」が高まる。精神論の高揚からは、挫折に屈しない勇気(時には無謀)が生まれ、たびたび部下や外部の意見を無視し、知らないうちに裸の王様になる。

 本音からいうと、大企業と中小企業のいいとこ取りで精神論の悪影響を抑制できれば、日本企業は無敵になるだろう。

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