バリ日記(10)―納得しないホテルのユニセフ募金を拒否

<前回>

23197 グーナ・リゾート・バリのユニセフ募金案内

 6泊7日のバリ島休暇は、今日で終わる。午前中ホテルで出発の仕度をして、昼過ぎのシンガポール航空で上海へ帰還する。ホテルのチェックアウトに先立って、顧客満足度調査アンケートとともに、総支配人宛の手紙を同封した。日本語に訳すと以下になる。

ラグーナ・リゾート・バリ 総支配人 殿

 貴ホテル滞在中、数多くのスタッフの笑顔と誠意に満ちたサービスを頂戴し、大変素晴らしい休暇を過ごすことができ、深く感謝します。一点だけ、貴ホテルでのチェックアウトに際してユニセフへの寄付金として1米ドルが自動的に勘定に加算されることについてです。ユニセフ募金は、大変素晴らしいことで、寄付に協力したいと思っています。ただ、募金案内文を拝読しますと、若干気になるところがあり、三点ほど指摘させていただきます。

(1)情報の開示

 まず、この寄付は、貴ホテルの名義で寄付されるのか、それとも貴ホテル滞在客全員の名義で寄付されるのか、寄付金額や寄付日時と収支報告書などの詳細についても、インターネットなどで公表されているのであれば、ウェブサイトアドレスも合わせて明記していただきたい。

 【例】:ホテルパシフィック東京2008年度集まった募金額、1,271,447円寄贈の発表で、募金と寄贈の詳細を掲示しています。→「ホテルパシフィック東京では募金活動として、ホテルフロントや各レストランやショップの店頭に募金箱を設置して集まった寄付金と、ノンクリーンサービスとしてご連泊のお客さまが客室の清掃を不要とされた場合、寄付や館内でご利用可能な1,000円分の「ユニセフクーポン券」をプレゼントしております。現在まで総額8,092,763円(2003年~2008年度)をユニセフへ寄贈しております」

(2)企業スタンスの表明

 他のホテルや航空会社も同様な募金を行っていますが、顧客が1ドルを寄付すれば、業者側も1ドル寄付するというような方法(同額寄付)が多く取られています。企業のCSR(社会的責任)や社会貢献を考えるうえでも、企業としての貴ホテルのスタンスをあえて表明すべきではないでしょうか。

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 【例】:渋谷エクセルホテル東急で、関連詳細を掲示しています。→「ホテルフロント並びにレストランキャッシャーに募金箱を設置しユニセフ募金へのご協力を呼びかけており、またホテルからもお客さまの善意で寄付された金額と同額を寄付しております」

(3)募金キャッチフレーズの斟酌

 募金呼びかけキャッチフレーズについて指摘します。英語「Take only photos, leave only footprints…make your mark – help save lives」、中国語「只需拍照,只需留影・・・留下您的情意-幇助拯救生命」は、いずれも問題がありません。日本語は、「旅先では、立つ鳥跡を濁さず・・・でも、あなたが残す募金で小さな命が救われます」となっているのですが、翻訳の表現を斟酌する余地を強く感じます。「立つ鳥跡を濁さず」という日本の諺はかなりマイナス的な意味合いが込められているのは、ご存知でしょうか。

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 「水鳥が飛び立つ間際に糞をしたり、パタパタして水面を汚したりすることが多いらしい。立ち去る者は、あとが見苦しくないようにきちんと始末をする。引き際を潔くしなければならないということ」を言っているのです。その意味で考え、換言すれば、寄付なしの宿泊は「跡を濁す」、「水面を汚す」、「後が見苦しい」、「引き際は潔くしない」と解されます。これは、慈善事業としての募金の趣旨に反するだけではなく、お客様に対しても大変失礼な言い方ではないでしょうか?

 よって、今回、貴ホテルでの寄付を断ります。その代わりに、直接寄付など別のルートでユニセフへ寄付することとします。また、上記提起した問題点について貴ホテルにおかれては十分な検討と改善を期したく、僭越ながらコメントとさせていただきます。

立花 聡

<終わり>

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