ソニーPCの検閲ソフト搭載、「グリーンダム」問題を考える

 中国では、09年7月1日から実施される予定だったインターネット検閲ソフト「グリーンダム」(中国語「緑(土貝) 花季護航」)の搭載の義務付け措置(青少年をわいせつなど「有害内容」から守ると言う主旨)が、実施直前に延期されました。しかし、問題は、それだけ簡単ではありません。

24223_2「グリーンダム」搭載ソニー製品同梱の「免責声明」

 まず、「グリーンダム」の開発・政府調達行為自身について、問題が多すぎます。工業・情報化部が特定企業の当該製品の搭載若しくは搭載パソコンの使用を、公権力により一般企業や個人ユーザーに求めた場合、当該行為は、「反不正当競争法」、「独占禁止法」、「製品品質法」、「消費者権益保護法」、「民法通則」及び「契約法」並びに「国際人権規約」及び「公民権利と政治権利に関する国際条約」違反の疑いがあると認識しています。

 法律の問題はさておき、まず、われわれパソコンユーザー側の安全性問題について考えてみたい。「グリーンダム」自体の安全性が確保されていないことは、中国内外のメディアに語られて久しい。たとえば、正常な電子商業ビジネスコンテンツがわいせつ内容に誤認され、遮断・削除され、企業に損害を与えた場合、誰が責任を取るか?誰が損害賠償をするのか?ソフトの作動で逆にウイルスに感染した場合は?・・・などなど、リスクがあります。政府やソフトウエアのメーカーは、「いや、そんなことにはなりません」とリスクを否定しますが、じゃ、もしなった場合、責任を取ってくれるかというと、皆頭が横に振ります。リスクを否定することが、一番のリスクではないでしょうか。

 一方、外資パソコンメーカーの中では、ソニーだけは、行動が早い。7月1日に先立って、既に搭載済みのようでした(NNA報道「2009年7月2日(木曜日)検閲ソフト義務化を延期、ソニーは搭載済み」)。商品に添付の免責声明を一読されたい。

 「・・・(中略)ユーザー又はいかなるその他の第三者に、当ソフトウエアに起因し、もたらされた身体の損傷、財産の損失若しくはその他損失に対する要求、主張、賠償請求、訴訟、費用及びその他責任について、本ソフトウエアのサプライヤーによって負担し、ソニーはいかなる責任も負わない」

 しかし、ソフトウエアのサプライヤーは、商品の品質の安全性を強調しながらも、「もし、万一の問題が生じたときの責任と賠償」になると、話を濁します。それもそうですね、億人単位のインターネットユーザーから損害賠償を求められたら、マイクロソフトでも破たんするかもしれませんね・・・

 何だか、皆それぞれの都合で、消費者のこと誰も考えてくれないようですね・・・中国はやはり自己防衛に徹するしかありません。

(本件について、詳細分析・コメントや同類問題のリスク管理等について当社顧客向けコンテンツとしてクローズド環境で配信いたします。ご了承ください。)

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