愛人のお腹にいる子だけは本物

 最近、中国の「流行語」で、「被○○○」、「被×××」というのがある。「被・・・」といえば、他人からの動作・作用を受けること、他人から働きかけられること、受け身で受動的な状態を指す。「被罵」(怒られた)、「被騙」(騙された)など、どちらかというと、ネガティブなことが多い。

 が、最近の流行語の「被・・・」は面白い。「被就職」、「被富裕」・・・といったポジティブな表現がほとんど。「就職させられた」、「金持ちにされた」・・・

 はっ?何だそれ!実は、中国の統計データが嘘をよくつくのだ。失礼、データは嘘をつかないが、「嘘をつかせられた」のだった。

 学生はなかなか就職できずに困っていると、ある日、学校の卒業生名簿を見たら、自分が歴然と○○企業に就職していた。あっ、違った、「就職させられた」。早速調べると、自分名義で○○企業との「就職契約書」もちゃんとある。学校が勝手に代理署名したのだった。或いは、「自動的集団就職」だった。

 GDPがぐんぐん上がっているけれど、何だか生活が全然よくならない。もっと面白いのがある。さらに調べると、上半期の一人当たり可処分所得は、何と、GDPよりも早いペースで伸びている。バカ言っている場合じゃない。まあ、国民は、「金持ちにされた」のだから、せいぜい金持ちの気分にでもなってみろよ。

 数字を作る前に、つじつま合わせさえしない中国の役人さん、そして、数字をそのまま新聞に載せる日本のメディアさん・・・可哀想だと思わないか?

 GDPも面白い。橋を作ったらGDP計上、水増し工事で橋が崩れたら撤去工事はまたGDP計上、そして橋を再建する、当然GDP計上。一本の橋で、3回もGDP計上するのだ。

 インターネットにこんな書込みがある。

 官位是買出来的、(官位は金を積んで、買ってきたのだ)
 政績是吹出来的、(政治成績は大ぼらを吹いて、できたのだ)
 栄誉是要出来的、(栄誉は要求して、手に入ったのだ)
 情婦的肚子才是幹出来的。(愛人のお腹にいる子だけは、自分で種をまいて作ったのだ)

 笑っていられるか。あなたも、もしかすると、何か「させられている」かもしれないよ。

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