パジャマ外出禁止令、世界に笑われる政府の愚挙

 パジャマ外出禁止令。

 10月29日、来年の万博に向けて、市民のマナー向上に取り組む上海市はとうとう前代未聞の禁止令を発表した。

28715_2(people.com.cn写真)

 「パジャマ姿の外出」という行為よりも、「パジャマ外出禁止令」の方がはるかに強烈で、上海市民に恥ずかしい思いをさせているのではないかと思う。「パジャマ姿」の市民よりも、「パジャマ外出禁止令」が世界に笑われる。

 まず、法律の観点から、「パジャマ外出」を禁止する法的根拠はどこにあるのか?恐らく、ない。法律根拠のない禁止令は、政府が市民生活への乱暴な介入にほかならない。

 次、「パジャマ」の定義づけは、何なのか?パジャマがダメで、パジャマよりも露出の多いパンツ姿は容認されるのか?男子の上半身裸ではどうだろうか?・・・禁止行為そのものの範疇を明確化しなければならない。

 そして、「パジャマ外出」の是非について、それは、政府の禁止令によって、すでに「クロ」判定がされている。なぜ、「クロ」なのか?

 あえて言えば、日本の「浴衣」はどう何だろう。「浴衣」は、すでに文化として認知された。「浴衣祭り」もあるくらいのだから、中国政府は、何も自国民の「パジャマ姿」を恥とせず、逆に、「文化」としてアピールしたらどうだろう。万博にあわせて、「パジャマ祭り」でもやったらよいと思う。

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 一番容認し難いのは、万博開催に合わせて、「パジャマ外出禁止令」を出すことだ。外国人に、格好の良いところを見せようという本心は分かるが、やり方が幼稚すぎる。

 上海の下町には、いまでも、パジャマ姿が散見される。買い物やら夕涼みやら、ちょっとそこまで行って来る・・・コミュニティーの文化である。世界の主流マナーに反しているのかもしれないが、かといって、下町の微笑ましい光景を全般否定し、強制的に政府命令で禁止するのはいかがなものか。

 マナーや道徳レベルの問題を、法律や行政命令で規制する。逆に法律があるのに、道徳基準で判断してしまう。「法律」と「道徳」の混同は、中国の最大な問題だ。政府の責任は大きい。

 最後に、実施上の問題。「パジャマ外出禁止令」の執行監督部門は、どこなのか?罰則はどうするのか?パジャマ外出で「現行犯逮捕」したときどう処理するのか?・・・ 問題は山積み。法律や行政命令で規制すべきでないものをそれで規制しようとすると、当然問題だらけ。中国では、「拍脳袋」という言葉がある。論理的に検証せず、整合性も考えない。思いついたら、様々なルールを作る。「官は法なり」という封建社会の皇帝・官僚思想はいまでも健在している。

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