中国に住んでからは、北海道詣でが始まった。2003年からは、毎年1~2回のペースで北海道に行っている。
知らない人も多いだろうが、海外に住むと、日本国内線の航空券が非常に安く買えることだ。ANAとJAL二社とも、外国人の訪日促進で、常時キャンペーンをやっている。「Visit Japan」とか「Welcome to Japan」といったパッケージで、日本の国内線は、すべて1万円ちょっとくらいの均一特別運賃で外国人向けに販売している。
外国人の訪日促進といっても、何も外国人しか買えないことはない。日本人もちゃんと買えるのだ。ただ、外国の在留証明を提示する必要がある。中国の場合、居留証ステッカーの旅券ページをコピーして提出すれば、特別運賃で航空券を発券してもらえる。
このことは、日本人向けに、ANAもJALもあまり積極的に宣伝していないようだ。それを知らないで、高い正規料金で買っている在外日本人も大勢いるので、航空会社にしてみれば黙っておいた方が都合がよいわけだ。
ずいぶん昔、私が最初、英語のウェブサイトでそのキャンペーンの存在を知った。使用約款を読むと、国籍の制限がなく、在住地の制限だけだったので、早速買いにいった。すると、「あなた、何で知っての?」と航空会社の上海オフィスの職員に驚かれた。
1万円、国内線均一料金だから、東京・大阪も、東京・稚内も、東京・石垣島も同一料金だ。すると、なるべく遠く行った方が得だと、1万円で、北海道や沖縄まで行けるのが嬉しい。まず、私は北海道に夢中になった。
03年の秋、上海から東京出張のついでに、北海道旅行に出かけた。