見えてきた、ロシアのウクライナ戦略

 ロシアのウクライナ戦略(面・線・点・切断)が少しずつ見えてきた。

 1. 東部:「面」の戦略。ドンバス地域の完全占領、ウクライナ軍の駆逐、ドネツクとルガンスク両国国土の確保。

 2. 南部:「線」の戦略。海上封鎖の恒常化、マリウポリの占領による東南部の一体化、長期的に戦後のウクライナの内陸農業国化。

 3. 中部:「点」の戦略。キエフ(キーウ)包囲によるウクライナ首都機能の弱体化(占領のための市街戦の回避、コストがかかりすぎ)。

 4. 西部:「切断」の戦略。米欧後方輸送物流ルートの切断。

 戦争経済学があるとすれば、そのほうがいちばん経済効果がいい。いずれにしても中国の出方によって結果が変わることもある。

<2022年4月24日補筆>

 ロシアがウクライナ東部で快進撃中。1か月前に、私が立てて上記仮説通りの展開になっている。ただ、プーチンは私の仮説よりも大きな計画をもっているかもしれない。

 ロシアはウクライナ西部へも進軍する勢いが出た時点で、NATOとの交渉に臨む。西部の一部(元々ポーランド領だった領土)をポーランド管理下に置くことだ。そうすると、米欧のメンツもたつ。特にご褒美をもらうポーランドは大歓迎するだろう。ロシアのおかげで自国版図の拡大につながると。

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